組み合い、手合せ 2 ページ16
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膠着した状態が続いたとき，先ほど投げられた須賀が二人に向かって飛び掛かる。
「二人まとめて寝技で仕留めたるわ！！」
そう叫んだかと思うと，膠着した状態の二人に体重をかけ，そのまま押し倒す。
杣の体重を利用し，勢いで倒したような形になったので，須賀と杣の体重にAが潰される。
「杣も大鷹もなかなかやるな！
大鷹！お前国体出場したのが剣道だけだったから柔道まで得意とは知らなかったぞ。
どうだ，二人とも柔道部に入らないか？」
『教官…！く，苦しい…です…！』
「須賀教官。このままでは…大鷹さんが潰れます。」
しばらく須賀が二人の上に乗り押さえつけた状態が続き，それを見た風間が須賀に止めるように声をかける。
「杣，大鷹。それはどっちの血だ？」
どっちもです，と応える二人。
久々の組み合いにテンションの上がりすぎた須賀の参戦により，杣と大鷹のお互いが，倒された際に顔を柔道用の畳に顔をぶつけるような形となり，藻搔いたことで顔をすりむいてしまったようだ。
毛細血管の多い顔やおでこ，口元に傷を負ったらしい二人は，傷は大したことが無いものの，派手に出血してしまった。
「教官が生徒にけがをさせるなど前代未聞だぞ。
だが，見たとおり，体格差のある相手とは戦い方や対処方法が重要になる。
…杣，大鷹。二人で医務室に行ってこい。」
医務室にて
医務官がいなかったようで，お互いに手当をする二人。
幸い，仰向けで転倒したAが怪我をしたのは頬のみで，絆創膏を張って手当は終了した。
一方の杣は，うつ伏せで転倒し，その上から須賀が体重をかけたということもあり，おでこや口元をかなり擦りむいていた。
「っ…。」
『ごめん，染みた？』
消毒液のついたガーゼを当てながら，心配そうにAが尋ねる。
一通り顔の手当を終えたところで，戻ろうか，と杣が立ち上がる。
『待って。
私のこと，庇ってくれたんでしょ？
重かったけど，二人の体重がもろにかかってたらあんな苦しさじゃない。』
腕ついて庇ってくれてたんだよね？とAが杣の道着の袖を捲ると，色の変わり始めた内出血があった。
湿布を貼り終えると，「ありがとう」とほほ笑むA。
「別に，感謝してほしいからやったとかじゃないから…」
照れ隠しのようにそっぽを向く杣。
二人っきりの医務室，少しだけ甘い空気が静かな部屋を満たしていた。
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まるちゃん(プロフ) - KaNaNaさん» コメントありがとうございます！最後まで読んでくださり、ありがとうございます！これからも、こちらに遊びにいらしてくださいね。ありがとうございます！ (2021年2月11日 11時) (
レス) id: 727445f91f (このIDを非表示/違反報告)
まるちゃん(プロフ) - ナミヲさん» お名前にクスッと来てしまいました。向井さんのファンでしょうか？コメントありがとうございます！番外編も面白そうですね！検討してみます！ (2021年2月11日 11時) (レス) id: 727445f91f (このIDを非表示/違反報告)
KaNaNa(プロフ) - 完結おめでとうございます！とっても面白かったです！これからも頑張ってください！ (2021年1月29日 22時) (レス) id: d8ec937809 (このIDを非表示/違反報告)
ナミヲ - 完結お疲れ様でした！！2人のその後など番外編読みたいです！！ (2021年1月29日 20時) (レス) id: 7912cad76d (このIDを非表示/違反報告)
まるちゃん(プロフ) - さつちさん» コメントありがとうございます！あともう少しで完結するので、お付き合いよろしくお願いします！あたたかいお言葉、ありがとうございます！ (2021年1月27日 18時) (レス) id: 727445f91f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるちゃん
| 作成日時：2021年1月16日 22時
