中島敦:虎 ページ7
何もない白い部屋。自分以外は何もない。
敦「ここは・・・?」
『ふーん、起きたんだ』
敦の後ろには、いつの間のか白いワンピースに身を包んだ少女が立っていた。
敦「君、ここがどこか知ってるの!?どうすれば出られる?!」
『五月蝿いな・・・どうせ君は落ちて死ぬんだから、出る必要なんてない』
敦「何を言って・・・」
少女は敦の首を絞める。
『私は君が嫌いだ。死ね、中島敦』
敦「くっ、あ・・・!!」
敦は自分の首を絞める少女を薄目で見る。
少女の目は鋭く、怒りに満ちていた。
その目には見覚えがある。そう、それはまるで、まるで__________
敦「っ・・・虎、じゃないか・・・!」
『ああ、そうさ。私は君の異能力だ』
敦「僕の異能力だと・・・いうなら、力、を貸し、てほし、い・・・」
『嫌だね、君は嫌いなやつを助けるのかい?』
敦「ぐぁ・・・・・!!」
首を絞める力が強くなる。
『いいじゃないか、別に生きる意味なんて無いんだろう?ここで君が死んでも何ということはない』
少女は冷たく言い放つ。
敦「違う・・・!!僕は、僕は・・・!」
敦はそれに対抗するかのように叫んだ。
敦「生きて、探偵社に戻るんだ・・・っ!!」
かつての彼なら思いもしなかったことを、口に出した。
『・・・だから君が嫌いなんだ・・・!』
少女は敦の首から手を離し、敦の体を後ろに押す。
『勝手にしろ、私は知らない』
__________"月下獣"
空中で異能力が発動し、敦は無事に地面に降り立った。
敦「確か・・・今は組合と戦って・・・?」
手に持った人形を見つめ、白い部屋でのことを思い出す。
彼女はきっと、自分を許さない。
敦「だけど僕は生きてやる・・・!」
少女が何故、彼に力を貸し、助けたのか気づかぬまま、敦は街を駆け抜ける。
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黒月夜*(プロフ) - 七海@月と星−−君と幸福な世界さん» 駄作なわけないじゃないですか!!そしてまさかのBlu-rayの予約・・・!? (2019年3月13日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - コメントありがとうございます!!ゆ、遺言!?死なないでください!!というより、遺言がそれでいいんですか?! (2018年12月13日 22時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
河童系人間。(プロフ) - むり…尊い…すき……(遺言) (2018年12月13日 20時) (レス) id: 66413608c9 (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - ハニーさん» あ、なんかすみません・・・・・( ・−・) (2018年11月22日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 澁澤さんの童話むり…しんどい…(´Д` ) (2018年11月22日 10時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒月夜 | 作成日時:2018年5月10日 21時