泉鏡花:永遠に ページ18
_____いつか二人で、ここを抜け出そう。
そう交わした幼い日の約束。
とっくに破られてしまった約束。
『久し振りだね、鏡花』
鏡花は驚きと恐怖の混ざった表情でAを見つめた。
『鏡花がマフィアから抜け出したから、私は永遠にマフィアから出られなくなっちゃった』
約束したのにね、と自嘲気味に笑う。鏡花は笑えなかった。
鏡花「ごめ・・・なさ・・・」
『ん？謝らないでよ、私たちはいつでも親友だって言ったでしょ？』
同い年、気が合う、マフィアで互いが互いに唯一の居場所だった。
『でもさ、異能力を持つ者と持たない者、それだけで私は虐げられてきた』
淡々としているが、その声には怒りが滲んでいる。
『私だって、光で生きたかった・・・』
閉ざされた瞼から涙が落ちる。
『だから私は、鏡花が憎い』
何処からか、ズルリと何かを引っ張り出した。
赤く汚れたソレに、鏡花は目を見開く。
鏡花「敦・・・？・・・A、どうして敦が・・・」
『ふふ、姐さんに言われたの、この虎が全ての元凶だとね』
敦は強い、それでもAは自身に傷一つ無く敦を捕らえた。
・・・少しの間、Aと離れていただけでここまで力の差があるのか。
_____無理だ、勝てない。
鏡花「敦を、返して」
『駄目だよ。虎は組合に、鏡花は今度こそ逃げられないようにしないと』
濁り過ぎた目が鏡花を捕らえ、逃がさない。
『足を切り落とそうか、両目を潰そうか・・・脳をいじるのが早いかな』
ス、と鏡花の頬を撫でた。
『永遠に離さないよ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒月夜*(プロフ) - 七海@月と星−−君と幸福な世界さん» 駄作なわけないじゃないですか！！そしてまさかのBlu-rayの予約・・・！？ (2019年3月13日 23時) (
レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - コメントありがとうございます！！ゆ、遺言！？死なないでください！！というより、遺言がそれでいいんですか？！ (2018年12月13日 22時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
河童系人間。(プロフ) - むり…尊い…すき……(遺言) (2018年12月13日 20時) (レス) id: 66413608c9 (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - ハニーさん» あ、なんかすみません・・・・・( ・−・) (2018年11月22日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 澁澤さんの童話むり…しんどい…(´Д` ) (2018年11月22日 10時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒月夜 | 作成日時：2018年5月10日 21時
