【文スト】もしも貴方が世界から消えたとしたら【短編集】

樋口一葉:いつまでも ページ14

マフィアの樋口一葉は、Aの友人だ。


樋口「それでねー先輩がぁ〜」


月に一度は共に酒を飲む程度には仲が良く、相談だって何回もされた。


『一葉はその先輩のことが大好きなんだね』


樋口「そりゃあ、先輩は格好いいですからぁ〜」


すでに酔っているらしく、普段なら否定するようなことも嬉しそうに語っている。


『・・・・・そっか』


樋口「Aも好きな人とかいないんれすか〜？いないなら私の恋を応援してくらはい〜！友達でしょぉ〜？」


酔いすぎたのか、舌足らずでそういうと、机に突っ伏して眠ってしまった。


『・・・好きな人、いるよ』


樋口の幸せそうな寝顔を少しばかり恨めしく思う。


ただの友人としてなら、樋口を応援してあげただろう。


でも、そうじゃない。


『一葉、好きだよ』


女同士で、樋口には好きな人がいる。どうなるかは目に見えていた。


もし樋口が起きていて、この告白を聞いていたら拒絶していたかもしれないのだ。


樋口の友人ですら、いられなくなるのが怖い。


『臆病者だね、私』





_____この話は、ハッピーエンドで終われない。

ドストエフスキー:軽い→←谷崎潤一郎:愛

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