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story16 ページ17
海兎side
「2人で何してんの、海兎兄。」
「声とか耳とか治してあげてるんだよ。逃げたお前には関係ないだろ。」
Aの病室を出た後すぐ疾風に声をかけられた。
来てたのか。
「あんな事を急に言われたら誰だってそうなるだろ。少しでもちゃんと話を聞いた俺はまだマシだ。」
「……。Aの声と耳は完治は出来ないけど少しは回復する。」
「何だよ、逃げた俺には関係ないんじゃなかったのか？」
本当は言いたくないのが本音だ。
でもAの為に言っておかなくちゃいけない。
治っても伝える相手がいなければ意味が無いからな。
「明日、治ろうが治らまいがお前が逃げた理由をAが聞きに行く。その時、お前の口から言って欲しい。お前はAにどの選択をして欲しいか決まってるだろ？それをお前の口から言って欲しいんだ。強制的にじゃなくていい、むしろAに選ばさせてやれ。でも、思ってる奴はきちんといると解らせてやって欲しい。」
「そりゃ……決まってる。生きて欲しい。俺の事を忘れても、生きて欲しい。」
良かった。
疾風がきちんとした奴で。
ここでまだ決まってないとか吐かしたら引っ叩く所だった。
「手術は検査が終わって1度落ち着いてからだ。もしAが手術を選んだら、手術の時は傍に居てやってくれ。」
「言われなくても最初からそうするつもりだから。」
「後もう1つ、頼みたいことがある。」
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作者名：クロスケ | 作成日時：2019年3月25日 1時
