31話 ページ32
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タイムアウトが終わってからもペースが落ちるわけもなく入れ替わりの激しい攻守が続く。黒子くんが秀徳のパスをスティールしつつ近くにいる日向先輩にパスしようとするが、それを高尾くんがスティール返しで防いだ。
「俺のシュートレンジはそんな手前ではないのだよ」
ハーフコートギリギリから放たれるシュートは力いっぱい放ったわけでもなく弧を描いてゴールした。そして黒子くんのロングパスを警戒しすぐさま守備へと入る。ボールが火神くんへと行くと火神くんは3Pを打った。
「外れたら、自分で打ち込む!」
火神くんはアウトサイドシュートは苦手だ。それでも入ればそれでいいし、1人アリウープで確実に点を稼ぐつもりなのだろう。第1Q残り20秒を切った。ワンゴール差まで来た。皆、守備のために戻るが、俺は緑間くんから嫌な予感がしてまだ戻らない。
「っまさか」
緑間くんが俺たちがシュートを決めた方のコートでボールをもらうとシュート体勢に入った。それを見た瞬間に姿勢を低くして踏み込む。もう少しでボールに手が届いたのに間に合わなかった。
「そんな手前ではないと言ったはずなのだよ。俺のシュートレンジはコート全てだ。.....そして惜しかったな橙山」
シュートが決まったと同時に第1Q終了のブザーがなった。
「黒子くんあれ、昔から?」
「いえ、僕の知ってる彼の距離はハーフラインまでです。あんなところから打てるのは初めて知りました」
その会話を聞きながら、静かにスポドリを喉に無理やり通す。俺が緑間くんにマークついたところで背も高い緑間くんの障害になどなれはしないだろう。
「.....初っ端のボール俺にくれませんか?」
「なんか手はあるのか!?」
「一応確認なんですが、シュートってこうしないとダメとかルールってあります?」
奥の手、だったんだけどそうはいっていられない。けどバスケットボールかあ.....たぶん
「こんなのその場しのぎでしかないですし、交代を余儀なくされるかもしれません」
「ちょっと、何するつもりかわからないけど。無理するつもりなら許可は出せないわ」
「ちょっと牽制、するだけですから」
第2Qがはじまり秀徳ボールからスタートだ。緑間くんにボールが行くと黒子くんがマークについた。海常で黄瀬くんにしたバックチップを仕掛けるらしい。思惑通りに緑間くんが黒子くんを抜き仕掛けようとするが高尾くんによってバックチップすら阻止されてしまった。
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ZERO(プロフ) - 話めっちゃ面白いです!!質問なんですが、もう更新はしない予定ですか?? (2023年3月14日 22時) (レス) id: 9cf90e2809 (このIDを非表示/違反報告)
ze0(プロフ) - 成類さん» 返事遅くなりました!はい同い年です! (2022年4月23日 6時) (レス) id: 66aa2da0c7 (このIDを非表示/違反報告)
成類 - 一つ質問なのですが、手塚や幸村、跡部たちと同い年ですよね? (2021年8月28日 20時) (レス) id: 9f128687fb (このIDを非表示/違反報告)
ze0(プロフ) - プラタナスさん» コメントありがとうございます。そうなんです。テニス界は別次元すぎて...そこの境目が出過ぎないように楽しく書いていきたいと思います!面白いと言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2021年7月20日 8時) (レス) id: ca079dae55 (このIDを非表示/違反報告)
プラタナス(プロフ) - テニス界にいたならスタミナ切れで負ける事無いですし、ジャンプ力もネットの上余裕で超えれるので普通に強いプレイヤーですよね(笑)夢主がバスケとテニヌでの常識が全然違って驚いてるのが凄い面白いです (2021年7月18日 9時) (レス) id: 74d3bdb7ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅうぶら | 作成日時:2021年7月5日 16時