12話 ページ13
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「黒子くん、大丈夫?」
「大丈夫です。ありがとうございます。橙山くん」
第4Qで黒子くんがとうとう復活した。第2、第3と休んでいたおかげで元の薄さに戻っているらしい。中継バスが活きている。そうなれば俺もやりやすいし、さっきわかったことでテニスをやってたおかげか手首の柔らかさを使ってどんな体制、向きでもパスできる。
「くっ!影の薄さが戻ったのも厄介だが、あのオレンジ頭のやつの動きも読めねえ」
「もーらい」
ゴール下から狙っていた俺は、黄瀬くんへのパスを飛び込みながらカットし片手で体勢を持ち直すと転がっているボールを拾って点を入れる。
「あいつ片手で.....アクロバット?」
「バスケであんな動き普通やんねーぞ」
点差は80対82、あと2点。ボールがきた俺はおなじみの中に切り込んでディフェンスを引きつけてから飛びながら体を捻り、死角となっている日向先輩へパスする。
「っしゃあ!!!!同点」
「ナイスパスだ橙山!!」
同点になったのも束の間、黄瀬くんは今までよりさらに早く駆け抜け、黒子くんと火神くんの連携ディフェンスをかわしてダンクを決めた。試合中にさらに強くなっている。
「オレは負けねぇっスよ、誰にも。黒子っちにも!」
.....目がマジだ。ランガン勝負になる、オフェンスはなるべく敵を掻き乱してマークの外れた仲間へとパスを出す。ディフェンスになると真っ先にゴールの下へと走る。
「速いっスね、速攻しにくい」
「そらどーも」
抜かされて追いついて抜かされて.....守らず攻めろ!と監督の指示がとぶ。シュートを阻止して黒子くんと火神くんが攻める。黄瀬くんが阻もうとしたがブザービーターで火神くんがダンクを決めた。
「.....っはあ、もうだめ、無理」
「勝って言うことがそれかよ。シバくぞ」
100対98、それを見て俺はその場にへたりこんだ。日向先輩や火神くんみんなは集まって喜んでいる。誰にも聞かれていないと思ってたのに気づけば笠松さんがいて呆れながら俺を見ていた。
「バスケの試合.....ガチなの初めてだったので」
「初めて?そりゃどういう.....?」
「あ、黄瀬くん泣いてますよ」
俺が黄瀬くんを指すと笠松先輩は黄瀬くんを蹴り飛ばした。黄瀬くんは負けるのが初めてだったらしい。.....マジか
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ZERO(プロフ) - 話めっちゃ面白いです!!質問なんですが、もう更新はしない予定ですか?? (2023年3月14日 22時) (レス) id: 9cf90e2809 (このIDを非表示/違反報告)
ze0(プロフ) - 成類さん» 返事遅くなりました!はい同い年です! (2022年4月23日 6時) (レス) id: 66aa2da0c7 (このIDを非表示/違反報告)
成類 - 一つ質問なのですが、手塚や幸村、跡部たちと同い年ですよね? (2021年8月28日 20時) (レス) id: 9f128687fb (このIDを非表示/違反報告)
ze0(プロフ) - プラタナスさん» コメントありがとうございます。そうなんです。テニス界は別次元すぎて...そこの境目が出過ぎないように楽しく書いていきたいと思います!面白いと言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2021年7月20日 8時) (レス) id: ca079dae55 (このIDを非表示/違反報告)
プラタナス(プロフ) - テニス界にいたならスタミナ切れで負ける事無いですし、ジャンプ力もネットの上余裕で超えれるので普通に強いプレイヤーですよね(笑)夢主がバスケとテニヌでの常識が全然違って驚いてるのが凄い面白いです (2021年7月18日 9時) (レス) id: 74d3bdb7ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅうぶら | 作成日時:2021年7月5日 16時