電話の声 ページ16
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リーダーの男の言葉にあんぐり口を開けて固まる。
お父様?
鵜飼財閥?
ご令嬢?
何の事だかさっぱりなんだけどっ!?
ウチの頭がプチパニックを起こしていると、リーダーの男が肩を竦めた。
「何も怖がることじゃない。俺はただ、君のお父様――鵜飼守男とお話がしたいんだよ」
誰だ「ウガイモリオ」って!?
知らないよ、そんな人っ!
『えっと……おじさん、何か勘違いして――』
「良いからさっさと掛けろ、餓鬼!」
『いっ!?』
いきなりリーダーの男がウチの胸倉を掴んで引っ張った。
さっきまでの優し気な口調は消えていた。
「電話帳にそれらしい番号も名前も無かったから、こうやって手前に聞いてんだよ。手間取らせるんじゃねぇ!」
『そんな事云われてもっ! ウガイなんてウチは知らないよっ!』
「惚けてんじゃねぇっ!」
『うわっ!』
キレたリーダーの男はウチを乱暴に放り投げた。
両手が使えず肩から床に落ちた。
『いったぁ〜……』
「痛い目に遭いたくねぇだろ。番号を云え」
『だから、知らないって――っ!?』
すると、リーダーの男は目の前にナイフを突き出して来た。
「小指切り落としたら素直になるか?」
『は、何云って』
頭おかしいんじゃないのっ!?
リーダーの男が周りの男達に視線を送ると、男達がウチをテーブルに押し付けた。
腕を前に突き出す様に固定された。
『ちょっ! 何考えてんのっ! 放せ莫迦ぁぁっ――んんっ!?』
騒がしく叫ぶウチの口にガムテープが貼られた。
逃げ出そうともがくが、大の男数人に抑えられてビクともしない。
「暴れるな。小指以外も切れるぞ」
『んんんんーっ!! んんっんんーーっ!!』
ナイフがゆっくりとウチの小指に近付く。
不味い不味い不味いっ!!
誰かぁぁぁぁっ!!
誰でも良いから助けてぇぇぇぇっ!!
ウチは歯を食いしばって目を瞑った。
その時、部屋にコール音が鳴り響いた。
テーブルに置かれていたウチの携帯電話に着信が来たのだ。
それと同時に、ナイフがピタリと止まった。
指からナイフが放れて、リーダーの男がケータイを掴んだ。
「非通知……?」
怪訝そうに顔を歪めながらも、釦を押して電話に出た。
<やぁAちゃん! パパだよ!>
スピーカーにしたお陰で、電話の向こうの声が全員に聞こえた。
――つーか、パパって誰だよっ!?
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はるか(プロフ) - すみません、リクエストお願いします。何でもいいのでネコ科の動物に乗って夢主が、爆走するのを書いてもらえればうれしいです。よろしくお願いします。 (2018年6月20日 0時) (レス) id: 2bc02ca7fa (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - すみません、少し思いついたのでリクエストさせていただきます!夢主ちゃんと鏡花ちゃんが兎達とふれあってるほのぼのしたお話を書いていただきたいです!よければよろしくお願いします! (2018年6月17日 7時) (レス) id: 8afcf3da14 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - RANAさん» 創作出来ました。リクありがとうございます! (2018年6月17日 0時) (レス) id: 1f1c692189 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 最新話みました!!めちゃめちゃ面白くて大好きです!!ありがとうございます!これからも頑張ってください! (2018年6月16日 23時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
愛子(プロフ) - 蛞蝓さんで吹き出しました(笑)面白いです。更新頑張って下さい!応援してます。 (2018年5月23日 10時) (レス) id: 1d139961bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年4月22日 23時