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そんなやり取りをしている内に、男は曲がり角を曲がって姿が見えなくなった。
曲がり角に近付いてこっそり覗いてみる。
写真の男は一台の白いバンに近付いて、窓を覗き込んで居る。
窓が下がり助手席の人と話をしてた。
誰かと待ち合わせでもしていたのだろうか。
『……兎に角、敦達を捜さないと』
そう思って立ち上がり来た道を引き返す。
が、後ろから伸びて来た腕に捕まった。
『わっ!』
《Aッ!》
「餓鬼、コソコソ何してる」
写真の男が此方を見下ろしていた。
不味い、バレた。
掴まれた腕を振り解こうとしたが、力の差があり過ぎて無理だった。
『っ! 誰か――んんっ!!』
叫ぼうとしたが口を塞がれた。
《放せコラァ!》
猫達が飛び掛かって男の腕に牙を立てる。
「いってぇ!」
《Aッ! 早く!》
男は痛みでウチを掴む力が緩んだ。
その隙に腕から抜け出し、必死に走る。
兎に角さっきの塀の所まで戻らないと。
しかし、道に出た瞬間、目の前にあの白いバンが走って来た。
ガラッと扉が開き、中から男が出て来て掴まれた。
『ぎゃぁっ! 放せ――んっ!』
叫ぼうとしたが、口にガムテープを貼られてしまった。
そのまま白いバンに引きずり込まれ、黒い布を被せられた。
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敦は周囲を捜してから戻って来ると、国木田と太宰が既に戻っていた。
「如何だった?」
「駄目でした……あれ? Aは?」
「私達が戻って来た時から居ないのだよ」
「全く、一体何処に……」
その時、遠くの方で猫の騒ぐ声が聞こえた。
敦はその鳴き声のする方へ走ると、目の前を猛スピードで車が通り過ぎた。
その車を二匹の猫が追い掛けている。
「あれってAと一緒に居た野良達だっ!」
「……まさかっ!」
三人はすぐに事態を察した。
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夜廻(プロフ) - 続編待ってました!無理しないで、頑張って下さい!!!! (2018年3月25日 18時) (レス) id: 44c5ec9c50 (このIDを非表示/違反報告)
ノア@情緒不安定(プロフ) - ちぃちゃんの性格が好き。 (2018年3月17日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
高杉アヤ(プロフ) - 何この作者神かよ女神かよ!!(←羨まし過ぎて逆に尊敬してる奴) (2018年2月19日 21時) (レス) id: bdc5f38589 (このIDを非表示/違反報告)
sakaruma1031(プロフ) - とても、面白いです。続きが気になります! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 7de756cf73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - やつがれえええええ!良くやった!ひぐっちゃんおめでとう! (2018年2月7日 19時) (レス) id: 71a49373db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年1月19日 23時