・ ページ27
.
太宰Side
誰かが動く気配がして目が覚めた。
Aちゃんが寝返りを打って此方を向いた様だ。
そして、目を開けたAちゃんが私と目が合った。
「やぁ! お早う、Aちゃん」
『……』
一瞬、叫ばれて殴られるんじゃないか、と云う考えが頭を過った。
しかし、Aちゃんは未だしっかりと目覚めていない様で、ぼんやりした目をしていた。
すると、彼女は再び目を瞑って、私の方に体を寄せ、胸辺りにぐりぐりと頭を押し付けて来た。
『……あったかい』
完全に寝惚けている様で、ぎゅっと私を抱き締めて来た。
ありゃりゃ、起きて居る時には絶対しない仕草だね。
案外可愛い所もある物だ。
彼女の癖のある赤み掛った髪を軽く撫でた。
「――だぁぁぁざぁぁぁいぃぃぃ……」
地鳴りの様な低い声がして、首だけを後ろに向けた。
「……やぁ、国木田君、居たの?」
「貴様……よりにもよってこんな小娘にまで」
「待って国木田君。何か大きな勘違いをして――いったぁっ!」
誤解だよ、と弁解する余地も無く、私の頭に拳を叩き込むのであった。
理不尽にも程があるよ、国木田君。
.
『――へぇーそんな事がー……』
「何だいその目は。それもこれも全部君の為に行った事なのだよ?」
『ウチの為? 如何云う事?』
Aは頭にハテナを浮かべて尋ねる。
「小娘、昨日の事を何処まで覚えている?」
『昨日……』
国木田に云われ、Aは考える様に目を瞑った。
『悪い人に捕まって……お姉さんと脱出して、それから…………あぁっ!!』
Aは慌てて自分の襟を広げて中を覗いた。
『……傷が無い。撃たれたのに死んでない。えっ……もしかしてコレ夢だったり?』
すると、隣に居る太宰がAの頬を摘まんで引っ張った。
『いたたたたっ!』
「痛いのなら、これは夢ではないだろう?」
そう云って太宰がパッと手を放すと、頬をさするA。
『夢じゃない……えっえっ? 何で?』
「取り合えず落ち着き給え。順を追って説明しよう」
Aは二人から昨日起きた事について説明を受けた。
.
1160人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜廻(プロフ) - 続編待ってました!無理しないで、頑張って下さい!!!! (2018年3月25日 18時) (レス) id: 44c5ec9c50 (このIDを非表示/違反報告)
ノア@情緒不安定(プロフ) - ちぃちゃんの性格が好き。 (2018年3月17日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
高杉アヤ(プロフ) - 何この作者神かよ女神かよ!!(←羨まし過ぎて逆に尊敬してる奴) (2018年2月19日 21時) (レス) id: bdc5f38589 (このIDを非表示/違反報告)
sakaruma1031(プロフ) - とても、面白いです。続きが気になります! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 7de756cf73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - やつがれえええええ!良くやった!ひぐっちゃんおめでとう! (2018年2月7日 19時) (レス) id: 71a49373db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年1月19日 23時