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畳の匂い ページ2

.



塀の上に、野良猫が居た。



《A、まだ此処に居るつもりか?》

『だって此処しか知らないよ』

《早いとこ出た方が良い》

『如何して?』

《そうじゃないと――》



云い掛けた猫は、塀から飛び降りた。









.









『――ん?』



目を覚ますと畳の匂いがした。



昨夜もちゃんと医務室のベッドで寝た筈なんだけどね。



掛布団に包まって、何故か畳に寝てた。

むくっと起きて周りを見渡す。





「お早う」

『……』





近くの座椅子に社長が座って基盤に碁石を打っていた。

すぐに反応出来なくて、暫く無言で社長を凝視してしまった。



『お、はよう……ございます』

「うむ」





それ以降、パチンと碁を打つ音のみで沈黙が続く。



ひゃー……無言が気まずい。



と云うか、何でウチはこんな所で寝てたんだろう……。





妖精か?



妖精の仕業か?





「A」

『は、はい……』



社長に名前を呼ばれて思わず正座。



怒られるのかな、これ。



そりゃあ、勝手に社長室に入ったのは悪いと思うよ。



何でここに居るか分からないけど。





「昨夜は良く眠れたか?」

『……眠れたと思います』



医務室から社長室へ移動した覚えが無い位にね。

ぐっすりだと思うよ。





「……なら良い」


社長はそれだけ云うと、再び沈黙してしまった。



……ウチは、如何したら良いのかな?



この雰囲気、居た堪れないよ。





その時、社長室のドアがノックされた。



「失礼します。社長、少々お尋ねしたい事、が――居たぁっ!」



眼鏡さんが此方を見て大きな声を出した。

ズカズカと近付いてウチに顔を近付ける。



「お前……何故こんな所で寝ているっ!」



社長に失礼にならないようにか、低い小声で尋ねられた。

顔が影って、更に怖い顔になってるよ。



『あはは〜……いやぁ何でだろうねぇ〜?』



頭を搔いて笑っていると、首根っこを掴まれた。



「社長、失礼しました」

『眼鏡さ〜ん、もっと優しく運んでくれない?』



ウチは眼鏡さんに引きずられる様に運ばれ社長室を出た。



眼鏡さんの扱いって酷くない?



.

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夜廻(プロフ) - 続編待ってました!無理しないで、頑張って下さい!!!! (2018年3月25日 18時) (レス) id: 44c5ec9c50 (このIDを非表示/違反報告)
ノア@情緒不安定(プロフ) - ちぃちゃんの性格が好き。 (2018年3月17日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
高杉アヤ(プロフ) - 何この作者神かよ女神かよ!!(←羨まし過ぎて逆に尊敬してる奴) (2018年2月19日 21時) (レス) id: bdc5f38589 (このIDを非表示/違反報告)
sakaruma1031(プロフ) - とても、面白いです。続きが気になります! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 7de756cf73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - やつがれえええええ!良くやった!ひぐっちゃんおめでとう! (2018年2月7日 19時) (レス) id: 71a49373db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年1月19日 23時

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