【呪術廻戦】こっち来んな呪術師！

帰り道 ページ10

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俺は腕に抱えていた平井弟を見下ろす。

息はしている。

見える範囲では怪我は無さそうだ。

俺はホッと息を吐いた。





「その子は？ 君の弟？」



『友達の弟だ。居なくなったから捜してた。土曜にここで肝試ししたって聞いたからな』





俺は立ち上がって平井弟を背負った。





『じゃ、俺は用すんだから帰るな』



「いや待てコラッ！ 普通この状況で帰ろうとするかぁ！？」





白髪が帰ろうとする俺の前に立ちはだかる。

無駄にでかい図体で俺を見下ろして来たのが流石にイラついた。





「退けよ。此奴を病院に連れて行かねぇといけないし、家族にも連絡入れなきゃなんだよ」



「はぁっ！？ 助けてやった恩人にその態度って何？」



『あぁ？ こちとら誰かさんの所為で腕と体中痛ぇんだよ。見えてねぇのかグラサン取れよ』



「はぁ〜？ 此奴ムカつくわぁ〜」



「まぁまぁ落ち着きなよ」





青筋立てる白髪を団子頭が間に入って止める。





「君達二人を病院へ送るよ。その子の家族にも連絡をする。悪いけど、説明云々があって勝手に帰らせるわけにはいかないんだよね」





ごめんね、と優しく謝りながら団子頭が言う。

納得していない様子の白髪は舌打ちをしてそっぽを向く。





『…………チッ、分かったよ』





俺も舌打ちをして、とりあえず呪術師に従う事にした。









呪術師の黒光りする車に乗り込み、俺はまず平井に連絡をした。

弟が無事見付かったことと、今病院へ向かっている事。

そう伝えれば、緊張の糸が切れたのか平井は叫びながら泣いていた。

電話の向こうでえぐえぐ咽ている平井に、病院の場所を伝えて電話を切った。





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