鬱陶しい ページ14
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その日は家に帰って、当然学校は休んだ。
平井の件もあるし、警察の方から連絡があった様で、文句なく許可が出た。
それから平井から連絡があり、弟は無事目を覚ましたらしい。
自分が何故廃屋に居たのか、本人は全く覚えていないらしい。
「あん時は弟のことでお前のトコ行けなかったけど大丈夫だったのか? お前も怪我したって」
『大したことじゃない。擦り傷と肩を脱臼しかけただけだ』
「いや脱臼って大事じゃねぇの?」
『今は大丈夫』
「それよりも須田! あの黒服誰だよ! 何かの組織? 陰陽師とか! すげぇ怪しい奴ら――」
『知らん』
尋ねられたが俺は全力で白を切った。
平井には余り深く関わって欲しくない人間だったし、
彼奴のことだ、オカルト魂に火が点いて自分から身を投じそうだ。
既に手遅れな気もするが……。
その翌日、学校へ行く為俺はゆっくり玄関の扉を開けた。
あの呪術師二人が玄関に待ち伏せていないか確認する為だ。
心配ではあったが…………うん、どうやら居ない様だな。
安堵したのも束の間、庭先に目をやると……
『……うっわ』
クソでかいカタツムリが居た。
正確には、カタツムリにそっくりな呪霊だ。
殺気や嫌な雰囲気はなく、襲って来る様子もない。
しかし、そこら辺でふよふよ漂っているモノとはレベルが違うことは分かった。
(あの夏油って奴の呪霊か)
監視って訳か、はいはい鬱陶しいなホント。
俺はソレを無視して学校へ向かう。
ソイツは後ろをついて来ることはなかった。
一昨日の件で完全に目を付けられている。
祖母についても何か知っている様子だったし。
はぁ〜と気の抜けた溜息を吐いて空を見上げた。
また見慣れない蝙蝠みたいなものが飛んでいた。
庭に居た呪霊と雰囲気が一緒だ。
『マジで鬱陶しい』
今までの俺なら見て見ぬ振りをするだろうが、この時だけ俺は呪霊に向けて中指を立てた。
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腐男子 - あんまりわかんないですけど五伏コンビが見たいっす。 (2022年1月21日 18時) (レス) id: af98c525c3 (このIDを非表示/違反報告)
家具が高い - パパ黒と絡むのは新鮮!面白かったですー! (2022年1月10日 17時) (レス) @page50 id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - REBORN!ヲタクは今日も尊死するさん» ご指摘ありがとうございます! 夏油なら言いかねないけどここは間違いですね! 訂正して置きます。 (2021年12月5日 0時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
REBORN!ヲタクは今日も尊死する - 37話で夏油の「行ってらっしゃい」が「行ってらっちゃい」になってましたよ?ワザとでしたらすみませんッッ! (2021年12月4日 23時) (レス) @page37 id: 9f95d8689d (このIDを非表示/違反報告)
輪廻 - リクエスト!!体調不要で吐きそうで吐けなくて困って時に、夏油に見つかって夏油の指喉に突っ込まれて[ごめんね]とか言われながら吐く感じのを見たいっす!! (2021年11月16日 19時) (レス) @page45 id: 23123a7f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2021年9月19日 17時