検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:322,429 hit

38 ページ39

「「…………………」」



しばらくの沈黙。


それを破ったのは、Aの口から出た吹き出し音だった。





「ぷっ………あっはははははは!!!ちょっと、京治真剣な顔して何言うのかと思ったら………あっははははは!」



「ちょ、笑うなよ!てかここ病院だぞ!?」


「あ、そうだったね。忘れてた。」







そう言って舌を出すAを懐かしのハリセンで叩いておいた。


ついでに本気で。








「あー………笑った笑った。
えーと?死んだふりをしている理由?
……うーんとねぇ、テレビで死んだふりをして部屋に入ってきた人を脅かそう!っていうのがあって、それを見てやってみたら意外に楽しかったから、続けていったら習慣になっていた感じかなぁ?」


「最後の疑問符には?」


「特に意味はありませんね。」






………もうちょっとシリアスな雰囲気の話とかなかったのか。


…………………いや、Aにシリアスはできないだろうな。うん。








勝手に自分で解釈していると、病室の扉が開かれる。


外から入ってきたのは、巡回しているのだろうか。看護婦数人と医師が入ってきた。


医師はAにしばらく質問をした後、こう言った。









「もう傷も大丈夫そうですし………早いですけど、明日には退院できますよ。」




「………え、先生、それ本当ですか?」




「嘘を言ってどうするんですか。傷の治りが早いからか、もうほぼ痛みもないそうですよ。」





微笑みながら言う先生を前に、俺はAの体の丈夫さを改めて知った。

39→←37



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (1090 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
797人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:*フィラ* x他2人 | 作成日時:2015年2月17日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。