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「「…………………」」
しばらくの沈黙。
それを破ったのは、Aの口から出た吹き出し音だった。
「ぷっ………あっはははははは!!!ちょっと、京治真剣な顔して何言うのかと思ったら………あっははははは!」
「ちょ、笑うなよ!てかここ病院だぞ!?」
「あ、そうだったね。忘れてた。」
そう言って舌を出すAを懐かしのハリセンで叩いておいた。
ついでに本気で。
「あー………笑った笑った。
えーと?死んだふりをしている理由?
……うーんとねぇ、テレビで死んだふりをして部屋に入ってきた人を脅かそう!っていうのがあって、それを見てやってみたら意外に楽しかったから、続けていったら習慣になっていた感じかなぁ?」
「最後の疑問符には?」
「特に意味はありませんね。」
………もうちょっとシリアスな雰囲気の話とかなかったのか。
…………………いや、Aにシリアスはできないだろうな。うん。
勝手に自分で解釈していると、病室の扉が開かれる。
外から入ってきたのは、巡回しているのだろうか。看護婦数人と医師が入ってきた。
医師はAにしばらく質問をした後、こう言った。
「もう傷も大丈夫そうですし………早いですけど、明日には退院できますよ。」
「………え、先生、それ本当ですか?」
「嘘を言ってどうするんですか。傷の治りが早いからか、もうほぼ痛みもないそうですよ。」
微笑みながら言う先生を前に、俺はAの体の丈夫さを改めて知った。
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作者名:*フィラ* x他2人 | 作成日時:2015年2月17日 20時