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……嘘だろ?嘘だ、嘘だ
目を覚ませよ。なんで血なんか出てんだよ。
「嘘だっ………………」
俺はAの手を握りしめる。
強く、強く。そこにAの存在を確かめるように。
「Aっ………………」
「……っ痛い痛い痛い痛い!握り過ぎ!」
「………え?」
……いや、ちょっと待て。
「……もう化けて出たのか?A。」
「化けてって……私は死んでなんかいないよ!」
……え?
「……さっきのは?」
「死んだふり!」
……語尾に星が付いているのは気にしないでおこう。
ウインクしているのがどこかの優男に見えたのはスルーだな。
とりあえず………………
「生きてて良かったけど、さっきのシリアス返せよ………………」
でかいため息をつく。
……今までで最大のため息出たかもな。
「ごめんね、こんな時に。
………でも、京治が心配してくれて嬉しかった。」
ふわりと目を細めるA。
「……俺も、Aが生きてくれていて、嬉しかった。」
2人で顔を見合い、薄く微笑む。
「………そんな呑気に笑ってていいのか?」
いきなり降りかかってきた声に驚き、声を出した主に向かって顔を勢い良く向ける。
その主は、部屋にある木のドアの前にいた。
少し体が強ばる。
「…………俺達に何をする気だ」
そう問うと、その男はぶっきらぼうに
「……さあな。」
と言った。
外見と声からして、20代後半ぐらいの男だろう。
「………貴方が私達をここに連れてきたのね?」
Aがそう言うと、いきなりその男は何も言わずに俺達の手錠を外し始めた。
「……来い。」
逃げると殺されそうなので、素直に着いていく。
しばらく廊下のような所を進むと、ある部屋の前で男は止まった。
部屋のドアノブを引く。
その部屋に居たのは______
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作者名:*フィラ* x他2人 | 作成日時:2015年2月17日 20時