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______で、Aを無事確保して来た道を戻って、戻っても居なかったからあちこち探し回って。
途中で電話を掛けたけど誰も出やしない。
そこから現在に至るのである。
「うーん…………これだけ探したのになんで何処にもいないんだろう………………」
そう首を傾げるA。
近くにあった公園のベンチに座り、自販機で買ったジュースを流し込む。
ひんやりとした感覚が、喉から体全体へと伝わる。
「………何か企んでるんじゃない？」
あの人達だったらありそうだし。
「……………どうだろうねぇ」
しばらく座ってジュースを飲んでいると、携帯から無機質な音楽が流れる。
電話だ。
見てみると、黒尾さんからだった。
「……もしもし「坂ノ下商店という店に来い」……は？」
耳に聞こえてきたのは、何か細工でもされているのだろうか。男か女か分からない中性的な声だった。
「この携帯を持っている男とその仲間の命が惜しければ、今すぐに「坂ノ下商店……ですね。」……そうだ。」
確か、どこかで通った気がする。
横でAは何が起きているのかわからなくて、オロオロしている。
「え！？誘拐…？」
「黒尾さん達が…………！？」
という呟きを聞く限り、電話での声を聞いて大体の事は理解している様だった。
「もう一度言うが、今すぐにだ。警察に通報でもしたら必ず1人頭をブチ抜くぞ。じゃあな。」
ブチっと音声は切られ、ツー、ツー、というコール音が響いた。
「………A、行くよ。」
ぐいっとAの腕を引っ張る。
嫌に冷静な俺に、Aはもちろん、自分でも驚いている。
Aは慌てながらも俺に質問してきた。
「坂ノ下商店って知ってるの？」
「１回通ったよ。覚えてる。」
「黒尾さん達は無事なの？」
「殺されてはいないと思う。」
そして、Aが最後の質問を俺に投げかける時、「坂ノ下商店」という看板が掛けてある店に着いた。
外から見ると、普通の店だ。
「この電話は…………」
「ドッキリ？」
Aの手は、微かに震えていた。
「多分＿＿＿＿＿＿」
俺の額には、汗が滲む。
＿＿＿＿刹那。
「ぐっ……………」
「キャッ…………………」
頭に何か衝撃を受けた。
それからの事は、覚えていない。
「多分______ドッキリなんかじゃないと思う。」
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作者名：＊フィラ＊ x他2人 | 作成日時：2015年2月17日 20時
