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先ほどから、一人分の荒い息遣いがコートに響いている。それは、紛れもなくボクのものだ。

……いや、違いますよ?

決して如何わしいことをしているわけではない、決して。←



「えーっと……コレ、私が勝ちってことでいい?」

「…は……い」


いかにも、たった今バスケを始めたようにしか見て取られなさそうな姿である。
なぜかって、息も絶え絶えな自分に対して、彼女は息切れしていないどころか汗も滲むほどにしか掻いていない。
しかし、彼女はボクに1点も取らせず、4点先取のところを全てダンクで決めた。

だからといって、横暴なプレイだったかと問われれば、答えはNOだ。
遠慮も手加減もないプレイに、ただただ圧倒された。

……それだけの実力が、あるのに。


「何で、バスケしないんですか」


___



「何で、バスケしないんですか」

「(直球だなぁオイ←)」


どっちかというと、彼は努力型に当てはまる。一方、私みたいな奴は“彼ら”と同じ部類に入ってたりするのだろうか。


「……黒子君はさ、自分の力のせいで、誰かに離れられたことってある?」

「……自分の力不足でなら、あります。」

「私はね、才能(コレ)を持っててたくさんの人にスゴいって言われて、

一人の大切な人が、遠くに行ってしまった。」


「……!」


「称賛も名誉も要らない…って、言ったら嘘になるけど。そんなものより、もっと大事なものがあった。

願うなら、私は…ただ普通に、君みたいなプレイをしてみたかった。」



正直、こんな特典いらなかった。けど持ってしまったものは仕方が無い。

と、持っていたボールの感触が消えた。


「……ボクには、パス(コレ)しかありません。

この力だって、見つけたのはボクじゃなくて、ボクの仲間でした。」


クルクルと指で器用にボールを回しながら、目を伏せる彼。その目は、何処か遥か遠くを見据えているようだった。
彼の言う仲間とは、かつてのチームメイトのことだろう。


「ボクはただの影です。

……でも、結局ボクは、バスケが好きなんだと思います」

「…そっか」



ふわり、と笑った彼。
…いきなり不意打ちは止めて頂きたい。(心臓に悪い。)

〃→←〃



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ユキ(プロフ) - kosigayamaihintさん» ありがとうございます。殆ど妄想で書いているようなもんなので、とても嬉しいです。無理をしない程度に更新頑張りますw (2018年8月30日 9時) (レス) id: b62f39a03d (このIDを非表示/違反報告)
kosigayamaihint(プロフ) - 光の姉凄く大好きです!この本編では見れないお話見るのとても楽しいです!更新楽しみにしています!でも無理はしないでくださいね (2018年8月30日 1時) (レス) id: d0a46af0d1 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - ゆめさん» ありがとうございます!あくまでも関係は年上と年下みたいな感じです!私も夢主がタイプですw (2018年4月25日 7時) (レス) id: de1da99f45 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - こういう殺伐として甘くない関係好きです!夢主が超どタイプ。← (2018年4月25日 6時) (レス) id: 071a98174c (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 黒九路苦さん» ありがとうございます!更新は思い付いた時にやっていますが、待って頂けると幸いです。これからも頑張ります。 (2018年2月12日 0時) (レス) id: de1da99f45 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユキ | 作者ホームページ:  
作成日時:2017年10月9日 21時

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