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第十四話 怪盗キッドについて ページ41

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「怪盗キッドについて知りたいですって?」

「えぇ、そうなの」

 アンナの面喰らった表情に、Aは焦りを隠して一つ深く頷いてみせた。


 キッドが思いもよらぬ形でAを昼間の街に連れ出した日から早半月。

 Aの元に手紙が届いたのは一度、場所は日本で、今度は夜の繁華街を上空から映した写真が多かった。
 これはキッドが文字通り空を飛んでいる際に撮影したのだろうか、などと想像して楽しんでいた。

「……?」

 そんな中、ふと本当に小さく写真の隅に移る何かの影が気になり、Aは目を凝らしてみて、それが人々の集団の塊であると気がついた。
 彼等は、どうやら、この写真を撮っているキッドを観ている群衆のようである。顔を上げている人の顔の肌色がぼやけて一塊りになって映っている。

 写真を眺めながら、Aはキッドがこれ程有名な存在なのかと改めて思い知らされたような気がした。

 むしろ今まで、Aがキッドについて知らなさ過ぎたのである。そういえば自分はキッドの好物も知らないなとAは思った。

 知っていることといえば、アンナから教えてもらった大怪盗であることと、変装の大名人であること位だろうか。

 しかし、Aが知りたいのは怪盗キッドとしての彼ではなくキッドの本質的な部分についてで、これまで怪盗キッドという大怪盗自体についてはそれほど興味がなかったのである。

 けれど、自分より遥かにキッドについて知る人々が世界中にいるのだな、と思うと、何だか無性に胸の中がもやもやとした。

 Aは自分がこの人々に嫉妬しているのだと理解した。自分の嫉妬に気がついたAは、すぐさま次の休憩時間に頼れる友人の元へ向かうのだった。

 

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- 一気読みしました!めちゃくちゃ続きが読みたいです!待ってます! (2022年9月13日 8時) (レス) @page48 id: 08a0986ba6 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白かったです!もし続編があるのなら、続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2022年2月10日 14時) (レス) @page48 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫@さかなねこ(プロフ) - shibuyuさん» ありがとうございます!続き早くお見せできるように更新頑張りますね(´˘`*)! (2019年7月11日 0時) (レス) id: e45d5a1191 (このIDを非表示/違反報告)
shibuyu(プロフ) - 怪盗キッド!私も大好きなので萌えます!早く続きが見たいなー!なんてっ♪ (2019年7月8日 17時) (レス) id: 8ac4695b82 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫@さかなねこ(プロフ) - くろばさん» ひゃ〜〜めちゃくちゃ嬉しいお言葉ですありがとうございますー!これからもドキドキキュンキュンしていただけるように頑張りますので楽しみにしていただければ幸いです〜! (2019年7月4日 22時) (レス) id: e45d5a1191 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒猫@さかなねこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年5月22日 2時

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