怪盗と邂逅 ページ27
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「どうやら以前に比べて格段に警備が強くなったようですから、夜明け前には出て行かないと」
「そう…残念。夜明けまではいてくれるの?」
「ええ、まあ。でも…レディの身体に負担をかけたくはありませんので、貴方が眠くなった時には帰るつもりです」
気障な言い回しからは想像し難いが、思いのほか真摯な態度のキッドが面白く、Aはつい笑った。
大体深夜に人の部屋に押しかけて、今迄手を出さない時点で決まりきっている。キッドは本心からただAの元に訪れているつもりなのだ。
その後、Aはひとつだけ聞きたいことを尋ねた。
「また、会いにきてくれる?」
「もちろん、貴方がいいなら。再び満月の元で」
Aはキッドの言葉に心が浮かれた。一ヶ月後、再び会いに来てくれるというのだ。
すると、次はキッドからAに話しかけてきた。
「でも一つだけ、約束してほしい」
「なにを?」
「コレです」
Aの手をそっと掴み、キッドはその手首を指で撫でた。Aはその感触に、背がぞわぞわとし、息を詰めた。
「ここにあのブレスレットを巻いて、それから迎えてください」
Aは小さく頷いた。
キッドは彼女の反応に胸中安堵の息を漏らした。頷いたということは捨てていないのだ。
窓を開けてくれた時からそうだとは確信していたが、確証を得れて、肩の力が少し抜けた。
「あのブレスレット、凄く素敵よ。サファイアが特に…ありがとう。大切にするわ」
「気に入っていただけて何より。いつかもっと貴方に相応しい物を贈りましょう」
「ううん大丈夫。あれがきっと一番」
キッドは少々意外そうな顔をしたが、それから一瞬だけ照れたように頬を緩ませた。Aはそれを見つけて、自身の心がゆっくりと温まっていく気がした。
言葉も表情も飾っている彼が時たま隙を見せる時が、Aにとって一番楽しい時だった。
怪盗キッド。その仮初めの名以外のことを知らないAに、密かに彼の内面を教えて貰っている気分になるのだった。
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恋 - 一気読みしました!めちゃくちゃ続きが読みたいです!待ってます! (2022年9月13日 8時) (レス) @page48 id: 08a0986ba6 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白かったです!もし続編があるのなら、続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2022年2月10日 14時) (レス) @page48 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫@さかなねこ(プロフ) - shibuyuさん» ありがとうございます!続き早くお見せできるように更新頑張りますね(´˘`*)! (2019年7月11日 0時) (レス) id: e45d5a1191 (このIDを非表示/違反報告)
shibuyu(プロフ) - 怪盗キッド!私も大好きなので萌えます!早く続きが見たいなー!なんてっ♪ (2019年7月8日 17時) (レス) id: 8ac4695b82 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫@さかなねこ(プロフ) - くろばさん» ひゃ〜〜めちゃくちゃ嬉しいお言葉ですありがとうございますー!これからもドキドキキュンキュンしていただけるように頑張りますので楽しみにしていただければ幸いです〜! (2019年7月4日 22時) (レス) id: e45d5a1191 (このIDを非表示/違反報告)
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