現実ってそううまくいかない...わけでもないんだよね～黒バストリップ～Part6 (ページ34)

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続ページ34

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緑間の言葉に、先輩同様ポカンとする。

___1軍に上がれなかったわけではなく、上がろうとしなかった?

「彼の1軍昇格の話は何度も持ち上がりました。……ですが、アイツは……黒山は、頑なに1軍入りを拒否したんです。」

1軍というのは、言い換えるとレギュラー入りを意味する。つまり、帝光中のユニフォームを着て、バスケ部の代表として、試合に出場することが出来るのだ。

…それなのに。何で、それほどの実力があるにもかかわらず、1軍入りを拒む必要があるのか。

___天才を恐れる実力者……ねぇ。

｢つーか、実力あんのに出してないってナメてるだろ。帝光そんな奴ばっかだな…何かムカついてきた｣

そう言い、誠凛のベンチを睨みつける宮地さん……って。

「あ、あの、宮地さん……その、今、あんまり相手ベンチ見ない方が___」
「あﾞ?なんだy………!?」

俺が言い終わるか終わらないかの内に、睨み顔から一変、俺ほどじゃないけど、少し顔を青くした宮地さん。……遅かったか。

ただ今、向こう……誠凛のベンチからは尋常じゃないほどの殺気が放たれている。(だから、あんまり前を見ないようにしている。)

根源は……言うまでもないね、ウン。

｢相手がどう来ようが、全力で戦うだけだ｣

大坪さんの鶴の一声で、はっと我に帰る。
………試合中なの忘れてた。

｢俺も負けるわけにはいかないのだよ。タイムアウト後からは本気でいく｣
「……真ちゃんって変なとこでタフだよね」
「どういう意味だ高尾」

尋常じゃない殺気が放たれているのにもかかわらず、真っ直ぐ前を見据えて宣言する緑間に思わずそう言った俺は悪くないと思う。

俺も、心の中で気合いを入れた。