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鈴村side



第1Q後半は、黒子がディフェンスの裏に回ることでパスを通し、巻き返した。
ブザーが鳴り響いたときには、誠凛と正邦の点差は0。つまり同点。
お陰様で隣のベンチから津川…君の不満そうな叫びが聞こえてくる。



それはさておき、今は第2Qに向けての調整が優先だ。


リコ「始まったばかりよ!」


俺達が、マネージャーの仕事として、タオルやら水筒やらの給仕をしている中、カントクがを発破をかける。


リコ「フォーメーションは攻守共にこのまま行くわ。ただ、パス回しにつられ過ぎてるからゾーンも少しタイトに。あと火神君、ファウル多い!」

的確な指示と喝に、それぞれが気合いの入った返事をする。
…火神は、苦虫をつぶしたような表情だったけども。



リコ「相手に合わせようなんて腰が引けてちゃ流れ持ってかれるわ。攻める気持ちが大事よ!」
「「おう!!」」



リコ「日向くん、本当にいいのね」
日向「ああ」

「……」


低く小さな声で行われた二人の短いやりとり。日向先輩の強い意志を感じたと同時に、チームの絆を感じ取れた。


日向先輩とのやりとりが終わったのか、リコさんが此方にやってきて、座った。



「……」

リコ「……」



彼女と目が合ったその瞬間、試合前に、彼女にやった行為がフラッシュバックして、思わず目を逸らす。


恥ずかしいとかそんなんじゃない。ただ、気まずいだけだ……多分。


リコ「……拓君」

「!?えッ、あ、え


へ、へいッ!」←


しまった、こういう時は決まって声をかけられるパターンだ。

つい、声が上擦ってしまった……


リコ「ぷっ……居酒屋みたい」


「は、はははは…;」


笑うしかない。



リコ「(ボソ)さっきは、ありがと」

「!!」



少しばかり照れくさそうに彼女は、俺にだけ聞こえる声で呟いた。

どうせなら、りんちゃん達が言う前に言ってほしかったな、と付け加えて。



「……次は、気を付けます」





______ピ-ッ!!




そんなカントクと俺の、むず痒い会話は、試合再開のブザーにより、かき消された。

〃→←〃



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藍斗 - おもしろかったです! 更新頑張ってください 応援してます! (2016年9月10日 11時) (レス) id: 74bee11643 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユキ | 作者ホームページ:  
作成日時:2016年6月4日 10時

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