笑うピエロ人形 ページ41
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その日、俺は一人だった
大野さんは実家のお手伝いに行ってて、
相葉さんは試験勉強に忙しくて、松潤はバイト、
翔くんは講義が終わると同時に帰ってしまった
一人なのはつまらなくて帰ろうとした矢先に依頼主が来た
「お化けびっくり箱人形をやっつけてほしいんです」
依頼主の父親は骨董品が好きで、
よく家族を連れて骨董品の市に行く
先週の日曜日、丁度月に一度の市の日の朝、
依頼主は父親に連れられ車で出かけた
ところが、その日はめぼしい骨董品が見つからなかった
それで、帰ろうとして、入口まで戻ると
筵(むしろ)の上に汚らしい皿や茶碗を並べて
売っている男が声をかけてきた
「いかがです、だんな。お安くしておきますよ」
男は頭巾のついたマントを頭から被っていたので、
顔はよく見えなかった
依頼主の父親はどれも気に入らなかったようで、
立ち去ろうとすると
男は布袋の中から、四角い木の箱を取り出した
そして、男が横についてるボタンを押すと
バタン！と音がして中からなにかが飛び出して来た
二人はびっくりて、一歩後ずさりした
だが、よく見ればそれはびっくり箱
箱から飛び出して来たのはピエロ人形の上半身だった
しかし、
依頼主の父親がそのびっくり箱を手に取ろうとした時
〔ケタ、ケタケタ、ケタケタケタ･･･〕
その笑い声にまた驚いて、
依頼主の父親は危うく箱を地面に落としそうになった
ピエロ人形が笑うのをやめ、首をがっくりと垂れると
男は言った
「これ、電気仕掛けじゃないんですよ。
ぜんまい仕掛けで、笑うようになってるんです。
かなり古いものです。お安くしますよ、いかがです？
だんなでしたら、五十円で結構です。」
五十円と聞いて、気が変わった依頼主の父親は、
びっくり箱のピエロ人形を買ってしまった
ピエロ人形が置かれたのは、
依頼主の家の一階、居間のテレビの上だった
翌日の月曜日
夜遅く依頼主の父親が家に帰って来て、
誰も居ない居間に入ると、触りもしないのに
びっくり箱の蓋がバカンと開き
いきなりピエロ人形が飛び出した
「ケタ、ケタケタ、ケタケタケタ･･･」
不気味な笑い声をあげたかと思うと、
ピエロ人形はこう言った
〔よおくきけ･･･よおくきけ･･･お前はな、お前はな。
今度車を運転すると、運転すると、交差点で、交差点で、
事故を起こす、事故を起こす、事故を起こす･･･〕
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リス(プロフ) - 妖さん» ありがとうございます！そう言って頂けると励みになります。 (2019年10月4日 22時) (
レス) id: f3ab4dd572 (このIDを非表示/違反報告)
妖 - はじめまして！とても面白い作品ですね。更新、気長に待っています。 (2019年9月30日 19時) (レス) id: c254da3528 (このIDを非表示/違反報告)
リス(プロフ) - コメントありがとうございます！この小説では5人がメインなので5人のわちゃわちゃしてる姿も楽しんで頂けたら幸いです (2019年9月1日 0時) (レス) id: f3ab4dd572 (このIDを非表示/違反報告)
櫻翔 - 夢主さんがいる作品も好きですが､5人の物語もとっても素敵です｡リスさんのペースで頑張ってください(^-^) (2019年8月30日 23時) (レス) id: ae35368d95 (このIDを非表示/違反報告)
櫻翔 - はじめまして｡いつも読ませていただいています!翔さんがメイン?で嬉しいです｡5人とも謎が多いですが､これから解き明かされると思うと楽しみです!!更新､待ってます(*^･^*)/ (2019年8月30日 23時) (レス) id: ae35368d95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リス | 作成日時：2019年8月3日 0時
