すり抜けて:Sora ページ27
ネオンが輝く午後10時、高いジャケットを羽織りほんの少しだけヒールの入ったシークレットブーツを装備して顔を隠すように夜の街を歩く。水曜日のこの時間、とあるガールズバーに行くといつもカウンターに彼女が居る。
｢Aさん！｣
『ふふ、そらくんこんばんは』
｢もう来てたんですね？｣
彼女はキャストではなくたまたまここで出会ったお客さん。たまたま入ったバーがガールズバーで少し動揺してた時、隣に腰かけた彼女にシステムを1から10まで教えてもらった。彼女の情報は名前と俺より少し歳が上だって事だけ。具体的に何歳なのかとか、なんの仕事しているのかとか、そこまではまだ聞けてない。今日も俺は何度も何度も頭の中でシュミレーションした言葉をいつ口に出そうかと迷うのだ。
ここでもどかしいのが目の前に来た女性が話しかけてくること。俺は隣に座る彼女と話せたら良いだけなのに。そうは思いながらも盛り下がらないように女性にドリンクを奢り、自らもお酒を少し飲む。隣に座るAさんは楽しそうに女性と喋りたまに俺に話を振る。そんな深くも浅くもない関係だ。
女性が他の人からの注文で目の前から居なくなった時、Aさんが話しかけてくれた。
『そらくんビール好きなの？』
｢まぁそれなりに...｣
口下手じゃない筈なのに、彼女を前にするとうまい言葉が出て来ない。艶やかに動くラズベリーのように赤い唇を見ると彼女の色気に当てられてぼうっとしてしまう。首筋に2つ並んだホクロがまた色っぽくて、耳の後ろから揺れる後れ毛がなんとも言えないほどに欲 情を煽った。
『どこ見てんの〜？』
｢え、あっ！ピアス！素敵だなぁって...｣
『これ可愛いでしょ？ネットで即買っちゃった〜！』
耳から垂れるゴールドのチェーンみたいなピアス。彼女が話す度にゆらゆら揺れて、まるで催眠術にかけられたかのようにじっと見つめる。その瞬間俺の膝に彼女の膝がコツンとぶつかった。たまたまではなく故意的にぶつけたのは
｢っ、Aさ...ん、｣
『そらくん、』
綺麗な顔がゆっくりと近付き、もう目を瞑らなければという距離に来た瞬間彼女は俺の口角に触れた。長い爪が頬に当たる。
『泡が付いてるよ、お茶目だね？』
｢っ！？す、すみません...｣
『今日はもう帰るね？』
そう言った彼女は俺の耳にちゅっとキスをして帰って行った。
｢今日も連絡先聞けなかったなぁ...｣
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むう - めちゃくちゃ大好きです！これからも応援してます！ (2022年5月7日 22時) (
レス) @page37 id: 0b4c79d36c (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - りあさん» ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします！ (2020年12月11日 17時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - モーニングルーティンの小説とても好きです。これからも更新楽しみにしています。 (2020年12月8日 16時) (レス) id: 1311488687 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - かりんとうさん» 具体的なシチュエーションなどはございますか。あれば助かります。 (2020年11月3日 15時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - 初めまして、良ければワタナベマホ君の小説を書いて欲しいです！！ (2020年10月30日 10時) (レス) id: 4f5e255211 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴあ
| 作成日時：2020年3月11日 21時
