五挺:夕方 ページ6
☆約、2時間後
空がそろそろ赤くなってきた。
夕日は綺麗だとは思うけど
夕方自体は嫌いだ。
「そろそろ帰らなきゃいけない」雰囲気、俺はダメだ。
亮)「ぁーそろそろ帰るかぁ・・・」
みんな、
誰かが言うのを待っているその言葉。
本当はまだ遊びたいのに
帰らなくてはいけない義務感に
負けた敗者が言う言葉。
しかし敗者は勝者だ。
お前が正しいよ、亮雅。
棕)「だな。帰るか」
武)「なぁ 明日どこ行く?」
遊び疲れたのか、
それとも夕方マジックによるものか、
少し寂しげな空気が森に漂っている気がした。
明日のこととか話し合いながら
帰る準備をした。
カラスが鳴いている。
ーあ。
そういえば、さっきの声は
なんだったんだろ。
ふと 思い出してしまった。
あれから人の姿は見られない。
武尊と亮雅に訊いても
二人には声など聞こえなかったようだ。
でも俺は確かに聞いた。
・・・今 気づいた。
あれ、霊だったかも。
俺は小さい頃から霊が見える。
お母さんも ばぁちゃんも 姉ちゃんも
おやじも じーちゃんも
霊が見える。
これって凄いことかもしれないけど、
割と大変だ。
特に俺と姉ちゃんは
「霊に好かれる」らしい。
ばぁちゃんが言ってた。
だからよく憑かれる。
・・・もし、あの声の主が
霊だったら
俺は既に目をつけられている可能性が高い。
亮)「?棕櫚、どうした」
辺りを挙動不審に見回した。
どこかに、どこかにいるかも。
小学生男児に興味がある
変態の霊がー・・・!!!
武)「またなんかいるのか?」
もう二人には
俺が霊感持ってることバレてる。
しかし
どれだけ探しても
それらしきものは見当たらなかった。
・・・本当に気のせいだったのかもな・・・。
最近よく憑かれるから
自意識過剰になっていたのかもしれない。
棕)「ごめん、気のせいだわ。帰ろ」
そうだ、きっと。
こうして俺たちは森を出、
亮)「じゃあな、棕櫚」
棕)「おう」
武)「じゃなー」
それぞれの家路についた。
(亮雅と武尊は帰る方向が一緒だが
俺だけ反対の方向)
夕焼けの田んぼ道。
俺はひとり歩き出す。
ぼっちは苦手だから
早く帰りたい。
そう思って早歩きしてると。
*)「ーねぇ、君、俺のこと見える?」
背後から、
川の木陰で聞いた
あの、男の声がした。
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スズラン(プロフ) - アーシェ£さん» いえいえ!ですが、楽しみに待ってます! (2015年5月11日 18時) (レス) id: 0e2db3a51c (このIDを非表示/違反報告)
アーシェ£(プロフ) - スズランさん» すみません今週中には更新いたします!ありがとうございます! (2015年5月11日 18時) (レス) id: 71dd7d321a (このIDを非表示/違反報告)
スズラン(プロフ) - いつ更新されますでしょうか?続きが気になります! (2015年5月11日 18時) (レス) id: 0e2db3a51c (このIDを非表示/違反報告)
アーシェ£(プロフ) - 白紙さん» ほんとですか!嬉しいですありがとうございます!頑張ります^^! (2015年1月10日 11時) (レス) id: 71dd7d321a (このIDを非表示/違反報告)
白紙 - すごい読みやすくて面白いです!投稿頑張ってください。 (2015年1月8日 12時) (レス) id: 28fb1f4f57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:逃避 x他1人 | 作成日時:2014年10月27日 1時