48.怖い人 ページ3
「そうそう!!前に俺が横尾ちゃんに会った日、キタミツと話してたじゃん?
それを木陰からすっごいにら…ムムムム…ンーンー」
ニカが話してる途中で宮田くんの口を塞いだ。
「ちょ、何してるの??離してあげなよ!」
団長と話してるところ、やっぱり見られてたんだ。
「いやいや、俺が悪いよ。デート中なのに邪魔しちゃって!!」
何も悪気なくデート中って言ってる宮田くん。
「いいのいいの!別にデートじゃないし!買い物の付き添いみたいなもんだから!」
うん、嘘じゃないよ。
「え?そうなの??」
「そうそう!それにニカは先輩と付き合ってるし…」
別に本当のこと言ってるんだし。
「まじ?この怖い人が??」
「誰だよ怖い人って!!」
怖い人にすぐ反応するニカ。
「ひぃぃぃぃ!!!!すみません!!帰ります!!!」
え、焼肉いいの?…
宮田くんは完全にニカを怖がってるらしい。怯えてた。
そんな怖がる必要ないのに。
「ほら、行くぞ、早くしないと麺伸びる」
「あああ!!せっかくのラーメンが!!!」
「悪いのはAだから。どうでもいい男なんかと話して。」
「なんでそんな怒ってんの?」
「別に?怒ってないけど。」
ブツブツ言いながら席について、ラーメンを食べ始める。
熱さは丁度よくなってたけど、麺は少し伸びていた。
相変わらずニカは不機嫌で。
「ねぇ、なんかあるなら言ってよ。何が不満なの?」
「だから何でもない」
「だったらそんな機嫌悪くしなくていいじゃん!」
「いつも通りだろ」
「どこがよ…」
そこから無言でただただ麺をすする。
いい感じに楽しんでたのに。このお出かけ。
「もしかして…デートじゃないって言ったから?
先輩とのこと、話したから?」
ニカ、完全に無視。
「本当のこと言っただけだから。でもそれで気を悪くさせたならごめん。」
いや、謝る必要ないよ私。
怒り?不機嫌?の原因不明。
本当はニカとのお出かけはデートが良かったよ。
ニカの彼女は私でありたかったよ??
でも、あなたの彼女は先輩だから。
これはデートでもなんでもないでしょ?
「ごちそうさま。」
いつの間にか食べ終わったニカ。
「先に行くから。食べ終わったら一緒に運んどいて。」
「ちょ、ニカ???どこ行くの???」
ニカは足早にどこかへ向かった。
前言撤回。
今日のニカは怖い。
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作者名:Momoka | 作成日時:2021年8月22日 9時