丸手斎ー昔話しー１ ページ9
CCGでも大きな殲滅作戦がない時は忘年会もやったりはする。
今年は結構な人数が出席するらしく、ホテルの上階にある座敷を貸し切るらしい。
特等達はすでにがんがん飲んでいて、あたしと倉元と政道はお酌に回っていた。
正直このために呼ばれたんじゃないかと思う...
亜門さんの所へ戻ると、お酒の弱い政道と暁ちゃんがバチバチし始めた...
倉元はそんな奴放っておいてこっち来なよ〜と。
「何？あたしにお酌してくれるの？」
「お酌でも肩揉みでも夜のお相手で...「誰かー！セクハラされてるんですけどっ！！！！」嘘だよっ止めてよAちゃん...」
セクハラと叫んでも聞こえないのか、みんな相手にしてくれない...
怖いな、ある意味忘年会とは。
倉元が大丈夫だから大丈夫だから！って...それよくオッサンが言う言葉だよ？って言っても酔っ払いには通じない。
その席へ行くと丈さんが、宇井さんに絡み倒されていた。
倉元は向かいの席に案内して、見てて？と笑っている。
真剣に愚痴る宇井さん、の横でうんうんと流す丈さんの横で、考え事をしてる様に見せかけて寝ている有馬さん。
「これパノラマで写真撮ろうよ、倉元！」
「な？面白いだろ？」
「有馬さんてどの程度起きないのかな...？倉元コヨリ作るから鼻こしょこしょしてきてよ！」
「蹴られる役な！蹴られるからには動画にしてくれよ」
そーっとそーっと手を伸ばすと、さすが最強のお肉！
すかさず手を掴む。
「何だ、Aと倉元か...」
「有馬さんこれ見てパノラマで端から順に撮ったの！考えてるフリで寝る有馬さん最高だよ！」
「そんなに面白い？」
「うん、有馬さんは食べないの？」
「もう食べ終わったけど」
「ここでも本読んだらいいのに？」
「そうするか...まだ終わらないんだろうな、この忘年会」
「あたし達お酌頑張ってるから、有馬さんのとこまた来るから寝ないでね！絶対だよ！帰ってもだめだからね！」
倉元を有馬さんの見張り役にして、探索を始めた。
法寺さんは、暁ちゃんと政道を両側に置き宥める亜門さんと上手く会話をしている。
「何話してるんですか？」
「Aさん、主席と次席コンビの言い争いが何とも若々しくてね〜」
「法寺さんが止めたら政道は黙るんじゃないんですか？」
「Aお前もそうやって真戸の肩持つんだろ〜コノヤロー！」
「ね、止めるとコノヤロー扱いされますよ？」
「法寺さんて穏やかですね？」
「さっきコノヤローって言われましたよ」
それで笑ってられるのはお酒の力なのか！
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作者名：馨 | 作成日時：2020年3月24日 23時
