東京喰種で！短編集！２ (ページ1)

今日:5 hit、昨日:6 hit、合計:22,879 hit

霧嶋絢都ー鈍感ー１ページ1

明日はバレンタインか～屋上に座って外を眺めていると、エトさんに声をかけられた。
「エトさんはバレンタインとかあげたりした事ある？」
「ないかな～仕事上あげたくらいで、本命なんてないな。どうして？Aは誰かにあげたいの？」
「よく分からないの...迷い中？だよ？」

迷ってはいるけど、人間の血を型に流して作ってみた。
量は多めに18粒はあるかな？

絢都くんには雛実ちゃんと一緒に食べて欲しいから。
よく怒ってるけど、絢都くんは雛実ちゃんがお気に入りなんだと思う。
あたしなんてアオギリに入った時弱いと言って、絢都くんにボコボコにされた...
お陰で今では墓盗りさんやミザさんに鍛えてもらえてる。

ボコボコにされた後、絢都くんは食え、といってご飯を分けてくれた。
そんなさりげない所に好意を抱いた。
いや、憧れかなこれは。

ラッピングを丁寧にした。
「怒られそうだな...人間くせーんだよっ！とか...また蹴られちゃうかな」

そして相談を聞いてくれたエトさんにも日付けが変わってすぐに渡しにいった。
屋上にいたエトさんを発見した。
「こんばんは！...エトさん、バレンタインあげる！」
「ああこれは嬉しいね～いいの？貰って？」
「はい、もう一つの本命は取ってあるから...あげるか分からないけど...」
スルッとリボンを解き、箱を開けエトさんは口に放り込む。

ごくっ...何と言われるか、こっちが不安で生唾を飲み込む。

「ん～美味しい！これは女の子かな？」
「うん。バレンタインに男の血なんて、ムードないでしょ？」
「これなら本命にも喜んでもらえるよ」
「エトさんにも喜んでもらえた？あたしギリは作らないから...」
「Aの本命、美味しいよ、ありがとね」
エトさんはぺろっと全部を食べてくれた。

「A、ダメでもいつ死ぬか分からないんだ。ちゃんと後悔しない様に渡すんだよ？」
「はいっ」

-----
絢都くんの部屋に行くと返事はなかった。
「雛実ちゃんと一緒にいるのかな？」

少し離れた通路に座っているとニコ姉さんが通りかかった。
「あらA、絢都くんなら作戦で朝まで帰って来ないわよ？」
「ニコ姉さん、雛実ちゃんも作戦に加わってるの？」
「そうだと思うわよ～」

雛実ちゃんの部屋は絢都くんとは階が違う...
「ここで待っててもいいかな？」
待ってる時に限って、時間とはゆっくり進む。
起きて待っていたかったのに、眠くなってきて...
うつらうつらと体育座りのまま眠ってしまっていた。

蹴られた衝撃で目を覚ます。