苦労人、慢心創痍、とばっちり ページ15
「松原さん……助けてください……」
「お前が松原か。今から指定した場所に来い。来なかった場合はこいつを解体してお前の勤務先にばら撒くぞ」
「……そうですか。場所を早く教えてください」
松原は電話の相手に心当たりがあった。つい最近、
「はぁ……やっと仕事終わったと思ったんだが」
さすがに
自分のせいで貴重な検視官を失わせるのも面倒なことなので、どうにかどちらも生きて帰りたいものだが。
1人で考え込みながら、車に乗り込もうとした時、人影が彼の視界に入る。
「あー!松原尋問官!お疲れ様です」
「墨染か。お疲れ様。もう遅いから自室に戻りなさい」
「どこかに出かけるんですか?」
「あ、いや、まぁ……」
「おじさん、かくしごとしてるー!!」
「はっ!?」
「こら、壮月。静かにしなさい」
「……ほんとに遅い時間だし戻ったがいい」
エージェント・
どうやら墨染は無意識下で発動してしまった。
「先輩を一人で行かせるわけには行きません」
「はっ!?」
「ほら、行きますよ!」
「なんてことを……大目玉を食らうぞ……」
「……行くのか?」
「着いてきてくれるよね?」
「……仕方ない。主様の命令ならば」
松原の顔は真っ青になり、死人のように真っ白になった。そんな松原を担ぎ、覚醒した壮月に乗りながら目的地を目指す。
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作者名:アイン | 作成日時:2019年12月23日 21時