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その後【冠城検死官Side】 ページ13
冠城は、同僚たちの検死の依頼書を捌きながら、今日の出来事を振り返った。
やはり助けてくれたあのフックの男が気になっていた。
｢名前……聞き損ねてしまった｣
分かることをメモに書きとめる。
彼は財団職員であること、何らかの異常性を持っていること、身体の一部が欠損していること。
｢本当に何者なんですかね……｣
決して悪い人ではない、人あたりの良さそうなオーラが漂ってた。
冠城はある言葉を思い出す。
｢次会う時は……右腕と左目の話をしてくれるのか」
おそらく彼の謎はそれである程度解ける。
触れた金属が武器に変化した理由も、恐ろしい身体能力の謎も。
確保、収容、保護。
異常性を有効に利用する財団にもっと早く出会えていたら。
｢もし……彼女が財団に保護されてたら……｣
冠城は、電気を消し、書類をまとめ、自室へと向かって行った。
未だに消えることの無い罪に、癒えることのない心の傷に苦しみながら。
｢……まだ、話すべきではない」
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作者名：アイン | 作成日時：2019年12月23日 21時
