国家を相手に ページ17
「ショッピ君、怖いか？」
目の前の総統室を前にしてそんなことをを聞いてくる。
「もちろん、怖いです」
「そうか、ならええんや。俺はもう壊れてもうてるから分からんのや」
「きっと怖いんじゃないすか、本心は」
「本心がやられてもうてるからな」
「俺の命もかかってるんで」
「俺なりに頑張る」
「はい」
「さ、行くで」
コンコン
「入れ」
「失礼するで」
「失礼します」
中に入ると、ど真ん中に腕を組んで座る我らの総統がいた。その横で、俺らをじっと見つめる護衛もいる。
「名前は」
「コネシマ」
「ショッピです」
「名乗らなくともわかるが、私はグルッペンだ」
「書記長のトントンと言います」
「端的に言う。国家の方針を変えろ」
「ふふ、面白い。詳しく聞こうではないか」
「国の自由さには呆れが来る。その元は総統、お前だ。このままだといずれ人々を不幸な方向へ持っていくだろう。その前に総統の座を降りろ。国民の信頼だけで動かそうとしていればいつかは自らも壊れる。制御が出来なくなる！」
「ふむ･･･なるほどな」
「確かな目標も持たずに何となくで進むのなら辞めるべきだ。今すぐ降りた方がええで」
「･･･トン氏、お前はどう思う？」
「これがグルさんのやり方や。現状もちろん危ういような機関はない。全てに完璧なやり方をしている。異論はないだろ？」
「それは現状や。将来より酷くなるかもしれない」
「未来なんて誰にも分かりやしない。良くも悪くも未来とは可能性の無限大だ」
「その可能性を左右してるのはお前やろ」
「･･･あぁ、そうだな。ただ、俺が辞めて誰を上
げろと？」
「お前より優秀なやつ」
「コネシマ、お前礼儀というもんを知らないんか。相手は総統やで。敬語と一つや二つも使えんか」
「人には変わらへん。総統という名を無くしたらお前には何が残る？何も出来ひん人や。権力など全くない国民に過ぎない。やろ？」
続く
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作者名：コロッケさん | 作成日時：2020年3月31日 11時
