感情 ページ15
「やっぱり僕の叔父の影響か。馬鹿馬鹿しい。規範主義だかなんだか知らんが、その仕事はもう辞めた方がいい」
「俺の親父は関係ねぇ。俺の意思や。悪徳商売して何が楽しいんや」
「人を発狂させるだけで何十万も稼ぐ君たちに言われる筋合いはない。だろ？」
ん？コネシマさんの父親が･･･あの人の叔父･･･？とすると、いとこか？二人は血縁関係なのか。
「･･･とにかく、これ以上はやったらアカンで。あと一週間、これが最後の猶予や。じゃぁな」
「ハッハッハッハッ────────
地獄に落ちろ！！！」
コネシマさんに引っ張られ、部屋を足早に出る。確かに奥の方に大きな機械のようなものが見えた。人の形をしたナニか。気味の悪いほど人に似ている。
「っはぁ･･･」
「大丈夫ですか、先輩？」
「大丈夫や。あそこにはもう行きたくないねん」
「･･･いとこさんですか？」
「せやで･･･対立してるけどな」
「そうなんすね･･･」
「･･･確かに、俺も昔は功利主義やってん。でもな、親父に嫌ほど否定された。それで、昨日説明した感じのことをやられてな」
「先輩もあれをやったんですか？」
「あそこまで昔は過激やなかったで。ただ暴力が酷くてやな。体がズタボロになるまでやられた。そこでな、人の感情って死んだら終わりなんやなって思って変わったんや」
「なるほど･･･」
「あ、言うとらんけど、親父社長やからね」
「えっ！？」
「今は体壊しとるんやけど、昔からやっとるんや」
「そ、そうなんですか･･･」
「さ、帰るで。明日、重要な仕事があるって言われとんのや」
「はい」
帰りも、もちろん徒歩で帰った。俺は特に疲れも何も無いが、コネシマさんは複雑な感情なのだろう、暗い顔をしている。
続く
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作者名：コロッケさん | 作成日時：2020年3月31日 11時
