近寄るな。大嫌いなんだよ。 (ページ14)

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寮に戻ればもう夕食の時間で制服のまま食事処に向かう。僕以外はもういて僕と入れ違いでセベクが出て行く。

「おかえり。マレウス」

「ただいま。リリア」

「Aに関してじゃが。どうやら持病を患っとるようじゃ。さっきエイナが来ての、Aに薬を渡してくれと頼まれたんじゃ」

「持病？なんのだ」

「本人曰く喘息と言いおったが喘息の薬にしては量が多かったの。そもそも試験管に入っておった」

喘息の薬は基本的には粉薬で試験管には入れない。仮に試験管に入れるとしたら液体薬。だが、喘息の薬には液体薬はない。嘘をついてまで隠したい持病を患っているのだろうか。そうなら、心配だな。
セベクがAを連れて来るのを待っているとドアの前からAの声が聞こえた。

「っ…。あ…ご、ごめんなさい！」

リリアがドアを開けて見るとセベクしかおらずセベクがとぼとぼと入ってくる。

「何があったんじゃ」

「戻ろうとしたので腕を掴んだんですが思い切り振り払われたんです」

「そうか。お前達は先に食べておれ。わしが様子を見てくる」

そう言ってリリアが出て行く。セベクの力が強かったのだろうか。強かったら振り解け無いだろう。なにか、あいつにあるのか？僕にはまだ、分からない。リリアが連れてくるのを待つ。
ガチャ。ドアが開いて入ってくるのはリリアだけ。何があったのか聞けば過呼吸を起こしたそう。

「部屋にいるのか？」

「シールド魔法を使われてどこかに消えてもうての」

「そんな状況で行く場所は…」

「保健室じゃろう」

Aの事に関しては保険医の2人が主に管理している。僕とリリアが知ってるのはある程度の事ぐらい。だから、今Aに何が起きてるのか。全くもって推測も出来ない。僕らと関わる時は絶対に壁がある。リリアじゃなくカイラ達を頼ったのが明確にわかる。

ノックが聞こえて誰かと思えばA。カイラとエイナ3人で来た。リリアが部屋に招き入れる。Aの紅茶には解毒薬が入ってる。多分、これで第2性が分かるだろう。僕が匂いで分からないのであれば人工的に隠しているのが確実。早くても1日後には効果が現れるだろう。これで、なにか楽になってくれればいいのだがな。