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『授業始まるんですけど』
「一緒にサボろ?」
確かこいつ天才肌だったはず…。だからこんなこと言えるのか。離す気もない腕の力で授業に行くのは諦めた。面倒くさくなってフロイド先輩の方に体重をかける。ビクって腕が動いた。初々しい反応で笑える。自分からしておいてその反応はなんなんだよ。
『初々しいですねぇ』
「普通照れるの小エビちゃんの方でしょ」
『フロイド先輩より長く生きてるんで』
するってシャツに手が伸びてきて急いで掴む。流石にここ学校。けど、普通に考えれば力で勝とうなんて無理な訳でボタンに手がかかる。脱がせていい?って私が止めても脱がせる気だろ。
『脱がせたらぶっ殺す』
「でも。ほぼ脱げてるけど」
お前が脱がしたんだろ!!って言ってやりたいけどお腹から胸まで大きな手が上がってきて声が詰まる。流石にまずいと思ってたフロイド先輩の鳩尾に肘を入れる。
『馬鹿じゃねぇの。溜まりすぎだっつーの!』
「いっ…。いったいんだけど小エビちゃん」
『知りませんよ。セクハラですからね』
脱がされたシャツを着直す。じーっとこっちを見ててやりにくい。なに。そんなに見たって何もねぇよ
「首の痕エ ロい」
平然な顔して何言ってんだこのガキは。首を抑えて睨んだら意味ねぇよ。何しても可愛いんだからって真顔で言うから顔が熱くなる。そういう事を言われるのは慣れてないし日本にはそんなのこと言う人なんて居ない。
煽ってんの?って私の肩に腕を置いておでこをくっつける。煽ってねぇよ。何でもかんでも下の方に考えるなよ。
『煽ってないです。てか、近いです』
「昨日俺言ったじゃん。意識しろって」
『意識してますって』
「は?それで意識してるとか舐めてる?」
舐めてねぇわ。意識してるから近くに居たくねぇんだよ。腕だって止めただろ。無理矢理お前がしたけど察しろ馬鹿。スキンシップが多いんだよって言いたいけどそれを事前に言わなかった私も悪いからどっちもどっち。フロイド先輩の胸を押して離れさせる。
重いんだけど!?全然ビクともしないしひょろひょろした姿見なのに動かない。馬乗りにされてる訳でもないのに。
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作者名:田中 | 作成日時:2020年5月24日 1時