DUSTBOX0.0 (ページ1)

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セブンス1 ページ1

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特に昔からやりたいことが明確にあるでもない人生だったと思うのだけど

幸い一人っ子で、幸い勉強も人並みにはできたから

親や教師に勧められるがまま大学に入り

これが私の将来の何に役に立つのだろうという疑問を常に頭の片隅に置きながらただ、“不可でない”だけの種族。

人より少しだけ真面目にこなしても、自分が選ばれた側の人間でないことは明瞭に分かった。

こだわりも熱意もなければそこそこ淡々と就職も決まり、古臭い日本の文化を未だに踏襲している会社に文句も言わずに、毎朝早く出勤して雑用をする。

「新人の仕事だから」と、誰か知らない上司に言われてから、はじめの数ヶ月こそ同期で分担してやっては来たものの、ボロボロとその数は少なくなってきた。

入社して半年を超えた今日、ついに私一人となった。

文句を言う相手がいない。

_____私の取り柄は真面目なことだから

そう、心の中で唱えた。

私の両親は厳しい人で、小さい頃から宿題をちゃんとやって出すとか、忘れ物をしないだとか、人にありがとうとごめんなさいを言うだとか、

そう言うことを細かく細かく教育してくれた。

_____ありがとうなんて、私が言われるべきでは？

捻くれ者の私は両親の二十数年の教育をあっけないものとする。

「Aさん、この仕事向いてないんじゃない？」

真面目に、真面目に毎日誰もやってないような雑用をこなして、同時に自分の仕事だってちゃんと……！

思い浮かんだ反論は全く喉を鳴らしてくれなくて、あうあう、と口を震わせた。

具体的に何がダメなのかもわからず、私より30分以上遅く出社するその上司になぜそんな言葉を掛けられなければいけないのか……悔しくて

ああ、悔しいんだ。
私、悔しいんだ。

たまたま頭に浮かんだその単語を噛み締めて、なんとなく茫然としてしまう。

ひとりで給湯室で冷たい水を飲みながら、
泣いた。

『俺は後輩に嫌われても成長してほしい』とかなんとか、正当化し言っているそれを地獄耳で聴きながら泣けた。

今までやったこと全部、無駄だったのかな、なんて思う。私は要領の悪い新卒でしかなくて、朝の雑用から脱落していった同期となにも変わらない？むしろ、彼らより下なんじゃないかって。

そんなはずないって自信を持って言えるほど自分にはアピールできるものもなくて、ああつまらない人間だなと渇いた笑いすら浮かんでくる。

息を沈めながら
気づかれないように溢れた涙を拭いた。
気づいて欲しかった。