06:衝撃の事実 ページ7
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"おいしくなーれ!萌え萌えきゅん!"
凪家のリビングで、小さな端末から私の声が鳴り響いた。
兄さんはそれを手に持ったまま無表情を貫き、反対に私の顔は炎上状態だ。
『だぁぁぁ!?!?は、え、何今の!?』
「何って、お前の声」
『言われなくても分かってんのよそうじゃなくて!』
半分反射的に手を携帯に向かって伸ばすがするりとかわされて宙を切る。
あのとき兄さん達が黙っていた理由が今になってようやく合点がいく。
くっそやっぱり最低な兄である。
『....何よ、私の弱みでも握ったつもり?言っとくけど、兄さん以外は皆バイトのこと知ってるんだから』
精一杯の強がり。そのくせ声が上ずっている。雑魚い。
しかしながら兄さんは子犬のように、こてんと首を傾げた。まるで無知なフリをするように。
「そんなことして何になるわけ?別に可愛いからこのまま残しておくだけ。消すのめんどいし」
また出た"めんどい"
何でもかんでもそう言い加えれば丸く収められると思うなっ
そうは思いつつ、霞んでしまった「可愛い」に僅かながら耳は反応していた。
自覚できるほどには熱くなったそれを叩いて、感情を怒りに再度集中させる。
『とにかく、そんなことするならもうお店には来ないでよね。後今の音声も消すこと!』
「....折角珍しい一面見れたのに、つまんない」
そんなこと言う方が珍しいでしょうに。
そう呟いたときには、私達の会話にはピリウドを打たれていた。
翌日、とある休み時間の廊下にて。
私の前に立ちはだかった1人の男がいた。
兄さんのご友人様である。
「凪が、お前に"もう来るな"って言われたって拗ねてんだけど」
『知らねーです.... 』
クソだる兄に進化するのやめてもらっていいですか?
しかもそれを本人が言いに来るわけでもなく、権力振りかざす人に来られたら為す術もないのだ。
『Bボタン連打すればまだどうにかなるかもしれないです』
「何言ってんだお前」
私は逃げられなかったらしい。
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咲夜(さくや)(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (10月5日 21時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
シア(プロフ) - 最新待ってます‼︎ (8月29日 19時) (レス) id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
やせいのあまは - 深夜に声出して笑っちゃうくらい面白かったです!!こういう作品に飢えてるので嬉しかったです!! (5月7日 0時) (レス) @page6 id: a903526445 (このIDを非表示/違反報告)
ムー - 面白すぎます!凪とかレオの反応場違いすぎて好きです!これから夢主ちゃんとどうなっていくのか楽しみです!更新頑張って下さい! (2023年4月8日 7時) (レス) id: c4f896039b (このIDを非表示/違反報告)
琉菜(プロフ) - 好き過ぎる!面白かったです!更新楽しみにしてます♡ (2023年4月2日 5時) (レス) @page2 id: c9934e301b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2023年4月1日 21時