01:流石に聞いてない ページ2
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昼間から夕方にかけて、バ先のメイドカフェはかなり繁盛していた。そこで働いている私もまた、忙しく走り回るメイド達の中の一人だ。
甘くとろけているボイスに、ケチャップで上手に描かれたオムライス、鳴り響くシャッター音。
それらにかき消されていたのか、来店していた客にすら気づけなかった。
相手は苦い顔をした紫髪の男性だ。
慌ててテンプレートの言葉を口にする。
『おかえりなさいませ!ご主人さ....ま』
しかしながら、来店したのは一人じゃなかったらしい。紫髪の男性の後ろに、少し遅れて知った顔が着いてくる。
目が死んでいて、馬鹿みたいに背の高い__
「....あれ、待ってレオ。俺の妹いる」
私に対してクソ冷たい兄である。
そんな兄がレオと呼んだ男が、さらに顔を歪めて私を見た。距離僅か1m。私にできることはひとつである。
『ごめんなさい、きっと人違いなさってると思います。私に白髪のイケメンな兄はいませんので』
自分の髪(ウィッグ)を指してそう微笑む。今の私の髪色はミルクティー色。妹と証明するものは何もない。
けれど沈黙は相変わらずで、額に雫が伝っていくのが分かる。
しかし、兄は極度の面倒くさがり屋。どうでも良くなったのか、
「なんかここ疲れそう、帰ろうよレオ」
そう言い、入店してすぐに帰っていった。
息をするのさえも忘れていた私は、圧迫された空気から解放されゆっくりと呼吸する。
ほんの少し静まりかえった店内。私の心臓の音だけがうるさく鳴り響く。
『あっぶな....初めて兄さんの性格に感謝したわ....』
そう安堵していたのも束の間。
「今日行った店でAがメイドコスしてたの見たんだけど。あれお前だよね」
普通にバレてた。
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咲夜(さくや)(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (10月5日 21時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
シア(プロフ) - 最新待ってます‼︎ (8月29日 19時) (レス) id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
やせいのあまは - 深夜に声出して笑っちゃうくらい面白かったです!!こういう作品に飢えてるので嬉しかったです!! (5月7日 0時) (レス) @page6 id: a903526445 (このIDを非表示/違反報告)
ムー - 面白すぎます!凪とかレオの反応場違いすぎて好きです!これから夢主ちゃんとどうなっていくのか楽しみです!更新頑張って下さい! (2023年4月8日 7時) (レス) id: c4f896039b (このIDを非表示/違反報告)
琉菜(プロフ) - 好き過ぎる!面白かったです!更新楽しみにしてます♡ (2023年4月2日 5時) (レス) @page2 id: c9934e301b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2023年4月1日 21時