03:狙った匂い ページ3
You-side
「今日も朝からなんかされた?」
声のした方を向くと、壁に寄りかかった硝子が少し呆れたように笑っていた。
二人きりの教室へと静かに風が吹きかける。
他人から見ても分かるほど顔に出ていたなんて、と恥ずかしさでまた頬に熱が集まってくるのがわかった。
『...寝癖ついてて、可愛いって』
「あぁ、ホントだ。可愛く跳ねてんじゃん」
『寝癖に可愛いなんて概念ないでしょ。一人の女として寝癖なんて許されないのに』
そうは言いながらも、自分が気にする部分をポジティブに受け止めてくれる、そんな傑が大好きだったりする。
「何そのダッセェ髪、流行ってんの?」なんて言う悟とは大違いだ。
「でも、たかがそれだけで顔真っ赤になった訳じゃなさそうだけど」
この光景に見慣れたのか、見透かすように硝子は意表を突いてくる。
彼女には適いそうにない。
『顔近いし、めちゃくちゃいい匂いがしたの。多分前に私が好きだって言った匂いだと思う』
色気って朝とか夜とか関係ないんだね、なんて自分にはどうしようもないことをため息混じりに呟いた。
何故か数秒の間を置いて、声色の変わった硝子の声が耳に届く。
「まぁ、A大好き野郎だもんな」
『そりゃ私だって大好きだけど、なんか次元が違うっていうか』
「手を出したいって言わないのも優しさの一つなんじゃない?」
『そのせいで余計、色気が目立つの』
どうしたものか、と机に頬杖を付く。
すると、一度浅くため息をつき、硝子は呟いた。
「...まぁ、今日も朝から胸元開いてるようなヤツだし」
『そーなの、よく知ってるね』
苦笑いを交えながら彼女の方へと目を向けると、
その隣に、ついさっき罵声を浴びさせ咄嗟に逃げてきた原因の彼が恥ずかしそうに顔を押さえながら突っ立っていた。
828人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
甘木 - えっ何でこんなに可愛いんですか…??夏油様も可愛ければ夢主ちゃんも可愛い…え?夏油様は神じゃなく天使と女神が合わさった方だった…?(脳し) (2022年1月28日 2時) (レス) @page7 id: 7c01fc8068 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - えっ?二人とも可愛いすぎんか⁇夏油様頑張れ!笑 (2022年1月27日 13時) (レス) @page5 id: 72f2f340c8 (このIDを非表示/違反報告)
RURI(プロフ) - 夏油様!むぎちゃんの新作待ってましたー!可愛い攻防戦をありがとう(*´˘`*)♡ (2022年1月26日 23時) (レス) id: 8724428549 (このIDを非表示/違反報告)
ろく - めちゃ可愛い夏油傑です最高です (2022年1月26日 22時) (レス) @page2 id: 5f4bcdb5df (このIDを非表示/違反報告)
甘木 - わあ…!夏油様だ…!なにこの可愛くてちっちゃな攻防戦‼︎可愛い過ぎませんか??え、可愛さに殺されるっ…! (2022年1月26日 21時) (レス) @page2 id: 7c01fc8068 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:むぎ | 作成日時:2022年1月26日 18時