【d!】青春白書 〜モブとぶりっ子、そして青春〜

言葉に思いを馳せる:Cute pen ページ5

[Aside]


栞の趣味は、決して悪くないと思う。派手なキャラものを使っている訳ではなく、最近は特に『大人シンプル』にハマったのか、エクルベージュを取り入れた文房具を使っている。

私は個人的に黒白で整えるのが好きなので、ある意味、色が使われているのにシンプルで調和がとれているものは真似したくなってしまう。どうのこうの言われたくはないので使わないが。

そして、そんな栞の持つペンケースの中には、ひとつだけ派手なペンがある。全体的にピンクの鉛筆だ(色は黒)。謎のキャラクターと、それに添えてloveの文字がある。……この前、栞がペンケースを落とし、たまたま拾ったときに見つけたのだ。


　＊


とある日の事。


学校に着き、教室に入ると、机に落書きされている(勿論自分のに書かれている)のが分かった。

『バカ』や『ブス』。『ガッコウ来ルナ』『ツネ』

ツネ？

『シネ』が『ツネ』になっていた。

そのとき、教室の隅で栞がクスクス笑っているのが見えた。


どうしよう。
100%、栞の仕業だが、これだけではどうしようもない。栞の仕業だと分かるようなものは、

「あっ」

机の下に、キャップの開いたペンがあった。
それは、誰かさんのひとつだけ派手なペンだった。

「あれ、これ栞さんのじゃない？」大袈裟に声を上げてやる。

「えッ」

「何で私の席にあるんだろう。はい、コレ。」
栞は悔しそうな顔をして、むくれながら自分の席に着いてしまった。



「はぁ。めんどくさいことを……これとれる？……あれ？」


……後に、そのペンが油性ではなく水性ということが判明し、掃除用の雑巾を濡らして全て綺麗にした。落書きされる前よりも綺麗になった。


勝者:A
2連勝

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