i 騙すように【HUNTER×HUNTER】 (ページ25)

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23.ハンター試験ページ25

確かに今後ライセンスを持つことによって得られる利益は何千とあるだろう。普通に考えたらハンターライセンスを持っていた方が得、と言える。

ただ私は一応現在進行形でおわれる身であり、呑気に試験を受けていてもいいのか…と思うところもある。
悩む私を見かねてかナナバさんは口を開く

｢私としてはAちゃんにずっとここで働いてもらっても構わないのだけど、Aちゃん何かやりたいことがあるのでしょう？その為にもいい機会だと思うの。｣

あれから四年。たった四年か、もう四年か。

ナナバさんは四年もの間、私が傷だらけで出勤してこようが、念の使いすぎで仕事中にぶっ倒れようが私の体調を心配して怒ったりすることはあっても何があったのかまでは一回も詮索しようとしてこなかった。

ナナバさんなりの気遣いなのだろう。口には出さずとも私の事情を察してくれている。
その気遣いを無下にはしたくなかった。

｢ありがとうございますナナバさん。今年のハンター試験受けてみようと思います。｣

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ハンター試験は毎年行われている。
正直イルミたちがいる可能性なんて0%に近いと思うけど、それでも万が一イルミでなくても知り合いがいる可能性はある。

正直『生前の死化粧』は使いたくないが軽い変装くらいはした方がいいだろう…念を掛けすぎなければイルミみたいな『特殊なパターン』に遭遇しても問題は無いのだけど。

髪を高い位置束ねて深くキャスケットを被る
本当ならいつも通りサングラスも掛けたいところだが、夜の仕事(暗殺の依頼の事ね)でもないのにこの格好は流石に不審者と思われそうなので仕方なく茶色のカラコンをはめるだけで済ます

｢よし、完璧。｣

特徴的な青色の瞳を失った私を一見しただけでAであると見抜ける人はいないだろう。

ハンター試験を初めて受ける、いわゆるルーキーが試験に合格する確率は三年に一人程度。

まだ見ぬ試験内容に心を躍らせるには十分な情報であった