貴方達と、出逢えた奇跡 １０ ──

・ ページ21

.









あの時の、玉森さんが会話を終わらせたのが何故か。




全てが分かった気がした。





山田｢多分今でもAは玉森くんの事、好きだと思うんです。｣


玉森｢……なんで、そう思うの？｣


山田｢わかんないけど。ここ最近のAおかしいから。｣


玉森｢だったらいいのにね。｣


山田｢は？｣


玉森｢Aの中で俺はただ終わり方が残酷だったから区切りが付いていないだけで、Aはもう俺の事は好きじゃないよ。｣


山田｢な、んで…そんな事、言えるんすか？｣


玉森｢Aはもう、進んでるよ。

大丈夫、ライバルじゃないよ。

ライバルって言うのはさ、同じ土俵に立ってることを言うんでしょ？

俺はもう、その土俵を自分から落ちた戦力外通告受けた人だから、(笑)｣


山田｢……｣


玉森｢だから俺はライバルじゃないから、頑張れよ山田。 ｣


山田｢なっ、｣


玉森｢好きなんだろ？Aの事。｣


山田｢俺も、土俵に入りたかったけど自分から入るチャンス逃したやつなんで(笑)｣





何がどうなってるのか分からない。




今あの二人は何を話しているんだろう。




Aに元カレがいた。




いや、いない方がおかしいから。




でも、分かってるのにしんどくなってる俺がいる。




俺は……2人の言う土俵に立ててるのだろうか。







それすらも分からないのはもう────







.

・ 溢れた気持ち→←・ 聞いてしまったのは

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す