コードブルー『空に架けた想い〜シーズンII〜』

フライト５８ ページ18

黒田said



…
助けると言ったものの
現状はかなり厳しいものだった


とにかく出血量が多く
このままだとあと数分でショック状態になる


このままヘリに乗せても
5分は病院までかかる


そうなれば間違いなく
心停止



そうならない為にも直ぐに
鉄筋を抜いて血管をクランプしなければ
ならない


だが抜いた瞬間血は溢れる
その視界の悪い中
損傷箇所を見つけなければならない



だがそんな自信俺にはない…
そんな腕を俺は持ってない




そう思いながらふと下を見ると
学生証が落ちていた


『海北高等学校1年
佐々部 A 16歳』



黒｢ｯ……｣








まだ16歳




これから先沢山の未来が待ってる
16歳の女の子が今
俺が諦めた事によって





命を落としてしまっていいのか





そんな事あってはならない



あってはいけない
…





俺は覚悟を決めて説明をする




黒｢…ｯ…

今から貴女を救う為に
この鉄筋を抜いて直ぐに
傷ついてる血管を遮断します。


そうしたら直ぐにヘリで病院へ
搬送してオペをします。


俺を信じて頑張ってくれますか??｣




するとその子は
微かな声でこう言った





A｢ぉ……き………時に……
先生ｯ…はｯ………ぃて…くれ……ヵ??｣





途切れ途切れだが確かに聞こえた




『起きた時に先生は居てくれますか??』



そう言った彼女の手を強く握り
俺は力強く頷き答える




黒｢当たり前です｣






そう言うと少し微笑んで
意識を失った彼女




ﾋﾟｭﾙﾙﾙﾙ!!ﾋﾟｭﾙﾙﾙﾙ!!




!!!?



モニターのアラートが鳴り
俺は焦る気持ちを抑えて
必要な道具を出す









次この子が目を覚ますのは

絶対にオペが終った
病院でだ









そう改めて決意し
俺は鉄筋を引き抜いた

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