まもりたい (ページ30)

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裕side

裕『たぁ、入るで？』

忠『うん。どうしたの？』

裕『あのな、亮が動物園行きたいって』

忠『あ、行ってきてもええよ？』

裕『たぁも一緒に行かへん？』

忠『え？ぼくも一緒にいってええの？』

小学一年生の男の子で、
この言葉を言うのはたぁだけやと思う。
言われてしまうのは俺らだけやと思う。
家族でどこか行くっていうのにも、
たぁは遠慮する。
でも、嬉しそうなたぁの顔をみて
少し心が安らいだ。

裕『そこで亮のぬいぐるみ買ったるからな。
たぁくんも好きなの選んでええよ。』

忠『うん、ありがとう』

お兄ちゃんやからって遠慮するかと思ったけど
素直にうなづいてくれて一安心。
なんでも買ってあげる覚悟で、
いつもより多くお金を下ろして出発。
車の中では亮が全力ではしゃいで、
それにたぁが付き合ってあげてた。

亮『たぁくんはなにみるのー？』

忠『んー、、、よくわかんない。
りょーちゃんはなにみるの？』

亮『らいおんさんと、きりんさんとぞうさんと
しまうまさんとあらいぐま！！！！』

忠『ふふっ、たのしみやね』

亮『うん！』

たぁが亮を否定することは絶対にない。
亮が間違っててもたぁは間違いを正さず
優しくさりげなく直してあげてる。
優しすぎていい子すぎる子やねんな、

亮『ついたー！！！はよ！はよ！』

裕『写真撮るから亮とたぁはそこに立ってー』

隆平くんままから貰ったアルバムには
たくさんの写真があった。
たぁも写真撮られるのが好きみたいで
嫌がってるものは1枚もなかった。
せやから、たくさん写真撮るねん。
たくさんとって思い出に残す。