まもりたい (ページ17)

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裕side

裕『うちの息子を返してください』

隆母『なんでですか？
今日はうちでお預かりする予定ですし、
許可してくださったんですよね？』

裕『忠義はおたくの子供やありません。
今すぐ、その手を離してください。
この子の母親は貴方ではなく妻です。』

隆母『よく言えますね、そんなこと。
あなた達夫婦より、
私の方がたぁくんを愛してます。』

裕『そんなわけないやろ。
お前、頭おかしいんとちゃうの？』

隆母『じゃあ質問します。
最近、たぁくんと何しましたか？
たぁくんはなにに喜んでましたか？』

裕『そんなの、っ、、、、』

たぁと俺はなにをした？
たぁはいつも何をしてるん？
あの子は笑ってた？いつ笑ってた？
何が好きなん？

俺、たぁのことなんも知らへんやん。

隆母『入学式の日、
たぁくんはひとりぼっちでいました。
他の子はみんな保護者といました。
たぁくんはひとりぼっちで、
桜の木の下にいました。
たぁくんの気持ち考えてあげてください。』

たぁは、お兄ちゃんやから、、、
たぁが大丈夫って言ったんや。
ひとりでもたぁなら大丈夫なんや。
他人のあんたには分からへんやろ。

隆母『たぁくん、どっちがいい？
ままとぱぱと一緒にいるか、
私と隆平と一緒にいるか。どっちにする？』

雛『たぁくんは私の息子なの！
いい加減にしてよ！』

雛が叫んだ。
ここは水族館やから静かな場所。
そこに響いた雛の叫び声。
周りに頭を下げて人気のないところに逃げた。