キズナ【イナズマイレブン】 (ページ35)

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アイノカタチ03 ページ35

ーー好きだよ、って言ったら、驚くかな。

きっと、優しいAちゃんのことだから、快くOKしてくれるのかもしれないけれど。それでも、今よりも彼女が遠くなってしまうんじゃないかって、怖くて。

「Aちゃん……A、ちゃん……」

そんな臆病者の僕だけど、今日は、今日こそはちゃんと言おうって思っていたんだけど。喉につっかえて、出てこないその2文字の言葉。それがもどかしくて。

きっと今なら、言葉では伝えられないけれど、行動では伝えられる。

「……嫌だったら、ちゃんと言ってね？」

「はい？」

僕は背中に回していた腕を腰の辺りまでおろし、彼女の目をしっかりと見る。照れ臭くて、何度も逸らそうとしたけれど、きっとこれが最初で最後だから、と我慢した。

ゆっくりと、僕は彼女に顔を近づける。Aちゃんは目を見開いたあと、サッと頰を赤くして、ゆっくりと目を閉じる。ーーキス待ち、だ。

僕は嬉しくて、ドキドキして、おかしくなりそうで……そんな状態で、彼女とキスを交わした。
彼女の唇は柔らかくて、地面にへたり込んでしまいそうになるくらいの……言葉では表せられないようななにかがあった。

ーーこのまま溶けちゃいそう。

長い、長いキスが終わり、僕はAちゃんの顔を見る。

「……こっち、向いてよ」

「い、嫌です……恥ずかしい」

俯き呟く彼女の顎を軽く引き、無理やりこちらを向かせる。潤んだ瞳に見つめられ、離せなくなる。

「……反則」

「えっ！？ま、まって……」

Aちゃんの頭をしっかりと固定し、再び彼女の唇を奪う。

深くて長い、あまーいキス。

その日はもう忘れられない日となった。だってあんなにもーー

ーーAちゃんが可愛かったのだから。

ーENDー