スレチガイ05 ページ29
Aに相当惚れ込んでいたタツヤ。だからこそショックで頭が回っていないのか、いつもからは想像もつかないほど要点がまとまっていなかった。
要するに、Aとヒロトさんが保健室でハグしてたと。で、ヒロトさんはとても嬉しそうだったと。
はっきり言ってバカバカしい。
「それはヒロトさんだけなんでしょう?」
「……Aさんの顔は見えなかったんだ」
何で、ヒロトさんが幸せそうだったからAも嬉しいと思うのか。自己犠牲も大概にしてほしい。
「それなら、諦める理由になんてならないわよ」
「でも……!」
「あなたはAが幸せならいいって思っているのよね?」
「……ああ」
「ヒロトさんといればあの子が幸せになると思っているの?」
「……うん」
呆れたようにため息をつく。どうしてこの人はこういうところで頑固なんだろう。
「Aは正直者よ。正直すぎるがゆえに、好きな人に嫌いだなんて言わない。……まあ、恥ずかしくて好きな人に好きとも言えないけれど」
「玲名は知ってるの?Aさんの、好きな人」
すがるようにこちらを見るタツヤ。何でもいいからそういう表情はAの前でしてあげてほしい。
「さあ、どうかしら。とにかく、これだけは言えるわ」
Aは、ヒロトさんを手のかかる弟だと思ってる。
「これでも、あの2人が付き合うことが、Aの幸せになると思う?」
「…………」
そう言うと、タツヤはさーっと顔を赤くして手の甲で口元を覆う。そうしたかと思えば首を振り、でも……いや、ううん……まさか……と呟き始めた。今度こそ本当に頭がおかしくなったのかしら。
「あのさ、変なこと聞いてもいい?」
「何?」
「思い違いっていうか、自意識過剰みたいに思うかもしれないけど………Aさんって俺のこと、好き、なの?」
私じゃなかったら間違いなく何言ってんだコイツ、って思われていたわね。
「それは本人に聞いてみないと何とも言えないわ」
私から教えてしまうのはよくないと思ったから曖昧に返す。でも、それを聞いたタツヤの顔は嬉しそうに綻んでいた。
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作者名:十五夜だんご | 作成日時:2019年11月8日 17時