キズナ【イナズマイレブン】 (ページ20)

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ナカマ11 ページ20

“勝利の女神”が復活したと話題になったあの試合から1週間が経ったある日。その日もいつものように白恋中サッカー部はサッカーグラウンドで練習をしていた。

「よし！みんな、一旦休憩！」

その声でわらわらとベンチへと集まってくる。その輪に向かってくる2つの影があった。

「ほら！早うせんと休憩終わってまうよ！」

「わかってるって。ちょ、押さないで！」

なえとAだ。なえはぐいぐいとAを押して士郎の前に出すとちゃっかり輪に混じった。みんなの視線が彼女に集中する。

くるくると髪を弄ると、意を決したように口を開く。

「ここでなら、もっと高く…もっと遠くまで飛べるような気がしたの。だから、お願い！私を、仲間に入れてください！」

深々と頭を下げる。今度は士郎に視線が集まった。

「……Aちゃん。顔、上げて」

「ようこそ。白恋中サッカー部へ」

輝くような笑顔でAに手を差し出し、彼女も嬉しそうにその手を取った。

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後日。珍しく士郎となえが2人で歩いていた。アツヤは赤点で補習、Aは委員会の仕事があるらしい。

なえは道端の石を蹴ると、「なあ、」と声をかけた。

「士郎。なんでA姉が“勝利の女神”だってわかったん？偽名使うとったのに」

「え？」と驚いたように聞き返すと、目を細めて空を仰ぐ。

「わかるよ。だって、Aちゃんは僕の初恋の人だからね」

彼にしては珍しく、恥ずかしげに微笑んだ。

ーENDー