スマホから推しがでてきた 続 【北信介】

18日目 放課後 ページ19

コンコン、とドアの鳴る音で目が覚める。

保健室のベッドは寝心地よすぎてついつい寝すぎたのかもしれない。

時計を見るともう放課後だ。

起き上がろうとすると、ドアが開いた

「柘榴居るか？」

『北さん…？』

カーテンで区切られているから姿は見えないけど、

北さんの声が聞こえる。

「おん」

北さんが来てるのにカーテンを挟んで話すのも失礼だからベットから降りてカーテンを開ける。

『…治君と、宮君』

北さんの後ろに居たのは宮双子。

顔の怪我が痛々しい

「コイツらが言いたいことある言うてるん。聞いたげてや」

宮双子は恐る恐ると言った様子で近付いてくる。


「柘榴、喧嘩止めてくれたんに巻き込んでまってごめんな」

治君はそう言い私の手を取り、私に何かを握らせた。

『治君、これは…？』

手のひらを見ると、お菓子が乗っかっていた。

「俺なりのお詫びの品、やねんけど…」

しゅんとした様子で見てくる治君。ぐう、顔が良い

『ふふ、ありがとう』

そうしていると、宮君はうーんとぬーんと唸り始めた

「ツム、お前何唸っとんの」

「喧しい。…悪かったわ」

頭を掻きながらそっぽ向いて言う宮君。

それが少し小さい子みたいで笑ってしまった

「なんで笑うねん！」

『や、なんか小さい子みたいで…』

心外、と言いたげな顔をする宮君。

「すまんな、侑こんなんやけどさっきまで女の子の顔傷付けてもうた言うて落ち込んでたんや。」

北さんはそう言う。

「ツム、素直に謝らんと嫌われるで」

治君はチョコの包装紙を破り口に放り込んだ

「サム！」

少し顔が赤くなってる宮君。

意外と可愛らしい所もあるのか…

そりゃファンになるし女の子も放っとかないわけだ。

『私はもう全然元気だし、部活頑張って』

そう言うと3人は保健室から出ていった。

あ、鞄取りに教室戻らなきゃ。

手のひらにあるキャラメルを口へ運ぶ

『んま…』

優しい味が口の中に広がった。

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