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『そういえば、松倉さんもうすっかり敬語抜けましたね』
「本当だ！なんかAちゃんって俺の妹より危なっかしい感じがしていつの間にか抜けちゃった」
『それって、子供っぽいってことですか？』
「ううん。素直で純粋無垢っていうのかな？可愛い性格だと思うよ」
素直で純粋無垢。
そんな褒められ方、今までされたこと無かった。
「……まって傷ついた？嫌だった？」
『あの、違くて、嬉しいんですけど、どういう反応していいか分からなくて』
「ほらね。そういうとことか可愛い」
穴があったら入りたい、ってこういう時にも使っていいのかな。
恥ずかしくて、動けなくなる。
メガネをかけていない松倉さん相手だと、やっぱりなんだか緊張する。
「ふふっ、意地悪しすぎた？ごめんね」
『……なんか、大人の余裕って感じでズルいです』
「そりゃあAちゃんよりは大人だからね。俺そろそろ戻るけど、ドリンクの注文とかいい？」
『じゃあ私も大人なので、ホットコーヒーをブラックで』
「はいはい、大人だからね。深煎りでいい？」
『はい。大人なので』
「何回も言うと子供っぽいんだよなぁ。ゆっくりしていってね」
やっぱり子供っぽいんだと思いつつ、松倉さんが笑ってくれたことが嬉しくて、また心がぽかぽか温かくなった。
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「じゃあ、ホテルまで気をつけてね」
『はい。ありがとうございます』
「またのご来店お待ちしております」
ホテルに着いてチェックインしてお風呂に入って明日の準備を済ませた。
早く家探さないと、出費は馬鹿にならないし、郵便物だって向こうに届いちゃう。
物件を探しながら眠りについた。
翌日。
チェックアウトする時、フロントでまた今日も泊まりたいことを話して1泊予約をした。
そのままフロントに荷物を預けて会社に行って、元太に会わないように周りの様子を見ながら社内を移動した。
昨日よりは仕事はちゃんとこなせた気がする。
仕事中、どこか頭がボーッとする気がしたけどきっと色々あったからだろう。
病は気からなんて言うし、気にせずに仕事を終わらせて、また帰りに喫茶店に寄る。
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作者名：愛生
| 作成日時：2022年9月25日 18時
