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ゴーイング ページ7

「嘘じゃないよ。『僕』は何もしない。じゃ、渉。あとは頼んだよ」

「えぇ、お任せ下さい!皇帝陛下の大切な妖精さん、この日々樹渉が責任を持ってお預かりいたしましょう!」

そう言うが早いか日々樹先輩は私をお姫様抱っこで担ぎあげるとそのまま高くジャンプして気球(?)に乗り上げた。どういう状況かわからないだろうけど私が1番わからない。

「ひ……ッ、や、ちょ、うわあぁあぁあ、あぁあッ───」


「……周りは君を飛べない鳥と言うけれど」

『飛べない鳥が飛べない理由何だろうね』とか意味がわからない事を言いながら紅茶を啜る英智を次こそぶん殴りたいと思っ──あぁ、駄目だ。そう、思うだけだから出来ないんだ。

次は”殴る”。絶対にだ。


「……時に妖精さん」

「………ぁ、え、私ですかっ?」

妖精さん、って私の何を見て妖精だと判断したんだ頭大丈夫か?ていうか英智の知り合いでしょ?ぜってーまともじゃないわ。どうすんのこれ。

「ええ、貴女のことです!どちらに行きましょうか?貴女が望むならどこへでも連れていきましょう!海ですか?山ですか?海の向こうの大陸でも構いませんよ☆妖精さんのご出身はどちらでしたっけ?」

「…………、……………家に帰りたい、です」

「わかりました!ではご案内いたしましょう、演劇部部室(わがや)へ☆」

成程、私の意見なんかハナから聞く気が無かったらしい。
『逃がすつもりなんかない』と言いたげに先輩は私を担いで離さないまま演劇部がある階の窓のヘリに足をかけて──

「は?いや、あのっ……ちょ、ちょっと待って下さ──」

「そーれ☆」

窓を突き破る──かと思ったら普通に窓ガラスを開けて床に着地した。

「フフフ、窓を突き破ると思いました?それはそれでアクション映画のようで面白そうですが学校でやると大事になりそうなので無難に窓を開ける事にしました」

気球から窓を伝って校舎に入る事のどこが無難なのかさっぱりわからないけどもう金輪際日々樹先輩と関わらない方がいい事はよくわかった。

そんな私の胸中など気にかける様子もなく先輩は上着を翻して踵を返す。

「それでは妖精さん、ささやかではありますがおもてなしをさせていただきま──」



「───友也、通報だ」

「今やってます。北斗先輩」


「誤解です。2人とも、落ち着きましょう」

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翔。(プロフ) - 好きです!!最高に面白いです!!エリートヒキニート最高! (2019年1月20日 6時) (レス) id: 63a2837fb8 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - ♪咲那♪さん» わーいありがとうございます(^o^)/頑張ります! (2018年5月15日 0時) (レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
♪咲那♪(プロフ) - おもしろくて続きが気になったのでこれからも更新頑張ってくださいね! (2018年5月7日 22時) (レス) id: 282e7e9f5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐藤 | 作成日時:2018年4月7日 1時

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