サイドストーリー ページ31
視点→天祥院英智
「反対だ」
残暑の影がまだ色濃い生徒会室で隣に立って資料を読んでいた敬人が僕の問いにきっぱりと断言した。
「え〜なんでだい？そろそろいい頃合いだと思うんだよね、Aに合同プロデュースの責任者にするの」
「まだ時期尚早だろう。その1年の、薬袋Aと言ったか。夏休み前に転校してきたばかりだろう？つい最近もトラブルを起こした事だし、もう少し様子を見るべきだと思うぞ」
「あの子が事件を起こした訳じゃないのは敬人も分かってるだろう？それにあの子は逆先くんに普段から大分扱き使われてる様だし、プロデュースは慣れてると僕は思うよ」
まあAはAのやり方しか出来ないからTricksterに合うかどうかは別問題として。
「…英智は薬袋と知り合いだったな」
「うん、まあね。だから敬人よりかは彼女の事は知っているよ。ていうか敬人は会ったことないよね？」
「あぁ。何かとタイミングが合わなくてな。ただまあ随分コミュニケーション能力に難があるとは聞いているが……」
「あはは、それ誰の情報？正しくその通りだよ」
「その通りなのか……」
『また厄介なのが』と溜息を吐く敬人。
確かにAは無能だ。
どこかこう、凡人以下というか駄目人間というか、人間の底辺というかクズというか……
何か見ていてイラッとくる。そういう子。
けどまあそれだけの子なら僕が興味を示す筈がないよね？
「英智、お前その子に嫌がらせしたいだけじゃないだろうな？」
「あはは、まさかぁ」
彼女の能力を買ってるだけだよ。
「という訳でAが責任者でいいよね」
「待てまだ決めるのは早いだろう。例え薬袋が何もしてなくても噂の渦中の人間を責任者にすれば悪戯にライブを阻害しようとする者も出てくるだろう」
「だろうね」
「だろうねじゃない、もしそうなってしまった時に責任が取れるのかという問題だ」
「責任なんて負える訳ないじゃないか」
「なら、」
「でもそれは問題が起きればの話だろう？なら何も心配ないよ。
「……何を企んでいる？」
「『僕』は何も、企んでなんかないよ」
僕はね。
あの子のことは僕にもわからない。けれど彼女なら向かってくる悪意も敵意も全て自分の手中に収めてしまうだろう。
初めて会った時のあの酷く冷たい、人を見下した目のあの子なら。
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翔。(プロフ) - 好きです！！最高に面白いです！！エリートヒキニート最高！ (2019年1月20日 6時) (
レス) id: 63a2837fb8 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - ♪咲那♪さん» わーいありがとうございます(^o^)/頑張ります！ (2018年5月15日 0時) (レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
♪咲那♪(プロフ) - おもしろくて続きが気になったのでこれからも更新頑張ってくださいね！ (2018年5月7日 22時) (レス) id: 282e7e9f5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐藤 | 作成日時：2018年4月7日 1時
